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□甘い夜の始まり
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「うわっ」
「きゃあっ!あ、あかやっ!」

俺は今、彼女と怖いDVDを見ている。部屋を暗くして見る怖い映画は雰囲気が出てよけい怖く感じる。(別にやましい気持ちとかねぇし…多分) まあ、実際そんな怖くねぇけど。

「ちょっとひっつき過ぎ!」

怖がりを装い、あゆみに抱きつく俺。そんな俺に恥ずかしがってるあゆみの姿がテレビの光に照らされて、いつもと違う感じに見えてちょっと興奮する…

「だって、こえーじゃん」
「で、でも…じゃあ、手繋ご?」
「やだね」
「な、なんで?!」
「そんなんじゃ、怖いから」

後ろからあゆみを抱きしめて、俺の股の間に座らせる。それだけでわたわたするあゆみが可愛くて仕方ねぇ。腰に腕を回すとびくりと跳ねる体に、自然と口元が弧を描く。

「変なとこ触らないでよ…」
「触ってねぇじゃん」
「で、でも…これじゃあ落ち着いて見れないよっ」

俺の腕を退かそうとするあゆみをそうはさせまいと強く抱き締める。

「あ、ほら!クライマックスだよ!見なくていいの?」
「ちゃんと見てるって」
「でもっ」
「へいへい、わかりましたよ」

俺がそう言うと、ほっとしたように肩の力を抜くあゆみにちょっとムッとした。そんなに俺とくっつきたくねぇってことかよ。俺はこんなにくっついていたいのに。あゆみは違うのかよ…ちぇっ。ちょっとお仕置きが必要だな。俺は、あゆみを横向きに抱きかえて俺の膝の上にお姫様抱っこの状態にしてやった。びっくりしたあゆみの表情に意地悪心が擽られる。可愛んだよ…その顔。

「ちょっと待って!この体勢さっきより恥ずかしいっ!」
「そんなことねぇって」
「そんなことあるっ!」
「あーもう、うるせぇなぁ」

俺の上でジタバタするあゆみのうるさい口を俺のそれで塞ぐと、ぴたっと動きが止まる。固まって抵抗しないあゆみをいいことに俺は、さらに深く口づけてあゆみを堪能した。唇を離すと、真っ赤な顔をしたあゆみの頬にもう一度リップ音付きのキスをすれば、目を大きく見開いてもっと赤くなる。そんなあゆみが愛しくてたまんねぇ。むちゃくちゃにしたくなる衝動を抑え、ぎゅうっと抱きしめた。俺、えらい。

「あ、あかや?」

俺の名前を呼んで真っ赤な顔で目うるうるさせて、あゆみは俺を見つめる。さっきまで抑えてた欲望がじわじわと俺の理性を崩し始め、込み上げてくるこの感情を残りの理性で必死に押さえ込む。その顔は、いかにも襲ってくださいって言ってるようなもんだろ…

「もうDVD終わっちゃうよ」
「いーよ、そんなもん」
「せっかく借りたのに…」

俺は今、それどころじゃねーんだよ。この状況をどうにか上手く利用して、あゆみとやれねぇか…それしか頭にねぇよ。

「なに?黙り込んで…そんなに怖かっんんっ」

とりあえず、この可愛くてうるさい口を俺ので塞いで喋れなくしてやる。唇の隙間から吐息が漏れるたび、俺のほんの少ししか残ってなかった理性は欲望にのまれていく。



2013.11.25

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