みじかいゆめ

□隠された欲望
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教室は赤く染まり、窓からはそよそよと少し冷たい風が入ってくる。窓際の席には大好きなゆきがいて、俺を待ちくたびれて眠ってしまったらしい。俺はゆきのさらさらの髪を撫でて、その髪に唇を落とす。

「ゆき…」

呼んでもピクリともしない彼女は無防備で、俺以外の誰かだったらどうするのだろうかと不安になる。

「かわえぇ…」

頬を撫でると「んんっ」とゆきから声が聞こえ、その声にすらぞくぞくする自分がいて、まだしたこともないゆきとの情事を想像させる。ゆきのことが好きなあまり、まだキス止まりで俺の中でぷつりとそれが切れてしまえば、きっとゆきを無茶苦茶にしてしまうんだ。俺のこんな汚い感情をゆきはまだ知らない。もし、知ってしまったらゆきは俺のことを嫌うだろうか。キスして、ゆきが苦しがっても止めないで唾液でぐちゃぐちゃになるまで唇を離さなくて、ゆきの体中に俺の跡をつけて、激しく求める俺を受け止めてくれるのだろうか。頭がおかしいくらい好きで好きでたまらないって言ったら、君はどんな顔をするだろう。

「ゆき、俺のそばにずっといて」

可愛い唇を撫でるとゆっくりと瞼が開く。

「…ブンちゃん?」
「起きた?」

ゆきが「んー」と背伸びをすると突き出された胸が強調されて、俺はそれから目が離せない。今すぐその胸を揉みしだいて、服を脱がし舐め回したい。激しい愛撫に我慢できなくなって、俺が欲しいと潤んだ瞳で訴えるゆきに熱くなる自身を捻り込み、気持ち良さそうに喘ぐ彼女の姿を想像する。ああ、俺ってもう重症だろい?

「どうしたの?」

そう言って俺を覗き込むゆきは、俺の頬をそっと撫でる。その行為でさえ、俺を掻き乱す。

「気分悪いの?」

今、俺が考えていることなんてゆきには分からないだろう。

「いや、ぼーっとしてただけ」

俺がそう言うと彼女はにこりと笑い、「帰ろっか」と俺の手を取り席を立つ。

「ゆき」
「なに?」

何も言わない俺を見て、きょとんとしているゆきを抱き締める。強く。

「ブンちゃん、どうしたの?痛いよ」

もごもご俺の腕の中で動くゆきが愛しくて額にキスをした。

「ずっと俺と一緒にいて」
「急にどうしたの?」
「俺のことずっと好きでいて」
「わたしはずっとブンちゃんと一緒にいるし、ずっと大好きだよ」

そう言って抱き返してくれるゆきは俺のこと何にも分かってない。

「キスして」

俺の気も知らないで平気でそんなこと言ってしまうゆきに優しくキスをした。


2013.04.22

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