みじかいゆめ

□熱くなった体
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「あーあ。なんで水着なんだよ…」

ここは俺ん家の風呂場。俺の必死のお願いで一緒に風呂に入ってもらえることになったんだが、ゆきは恥ずかしがって水着を着ることを条件に出してきた。俺も一緒に入りたかったから仕方なくその条件をのむことにした。(ちなみに俺も水着を着なくちゃいけないらしい) 今日は、ちょうど親も旅行でいねぇし、姉ちゃんも彼氏んところ行ってるし、絶好のチャンスだ。まだキス以上のことをしたことない俺たち。初めて見る、いつもは服の下にあるゆきの肌に頭がクラクラした。その水着の下もぜひとも見てみたい。

「水着でも恥ずかしいんだから!」

湯船の中で俺の足の間に座るゆきの髪は頭の上で団子みたいに纏められてて、うなじには後れ毛が肌に張り付いている。そんなうなじに、ものすごーく噛み付きたい。

「なあ、向かい合わせで座んねぇ?」
「いやっ!だって恥ずかしいもん…」
「大丈夫だって、な?」
「な?、じゃない!いやっ!」
「あーもう!あんま密着してっとヤバイんだって!」
「えっ?」

びくっと震える肩に赤い耳。おそらく、顔も赤いだろう。

「あ、赤也のえっち!」
「しょーがねぇじゃん。男なんだから」
「むっ…わ、わかった」

身の危険を感じたのか、くるりと体を回転させ俺と反対の浴槽に寄りかかる。膝を抱え小さくなるゆきは、俺の目を見ず斜め下の水面を見る。やっぱり顔が赤い。てか、向かい合わせもヤバイかも…

「ゆき」

名前を呼ぶと、ゆきの肩と水面が揺れる。ゆっくり視線が俺と交わると、ゆきは耳まで赤くした。

「…なに?」

少し震えた声。お湯のせいでピンクに染まる肌がいやらしい。それに、そんな不安そうな目で見られると何だかゾクゾクすんだよなぁ…

「キスしねぇ?」
「え…」

目を見開いてびっくりするゆきの手をとり、ゆっくりと指を絡める。

「あ、赤也っ」

慌てるゆきが可愛くて、俺の欲望が駆り立てられる。頬を撫でれば、びくりと震える肩が水面を揺らす。ぎゅっと目を瞑るゆきに顔を傾け近付いていく。触れる唇が熱い。ちゅっとリップ音をつけて離れると、潤んだ瞳と視線が絡む。

「赤也…好き…」

小さく呟くようにゆきの口から出たその言葉が、俺の理性をがらがらと崩していく。あー、それヤバイって…反則っしょ。

「ゆきっ」

ぐいっとゆきを自分の方に引っ張れば、ばしゃっと水が暴れて、体勢を崩したゆきの体は簡単に俺の腕の中におさまる。肌と肌が触れて、変な感じだ。腕を俺の首に回すゆきにまた口づける。舌を忍ばせ、ゆきのと絡ませてやれば一生懸命それに応えてくれて…唇から漏れる吐息が熱くて、変な気分になっちまう。

「はぁ…ゆき」
「あ、かやっ…もっと…」

自分から俺にキスをするゆき。その行為に顔が熱くなるのが分かる。こんなに積極的に求められたのは初めてで、こんなに全てが交わってしまいそうな深いキスをしたのも初めてで…

「ゆきっ、これ以上は…」

我慢できねぇ…そう言おうにも、もっとというようにキスを止めないゆきが俺の言葉を飲み込んで、唇を離さない。もうほんとにヤバイっ。俺、こんなにされて抑えられるほど理性なんて持ってねぇっつーの。するりとゆきの肌を滑らせるように手を這わせる。

「んっ」

二つの膨らみに手が到達すれば、ようやく離れるゆきの唇。

「あか、や?」
「ゆき…俺、もう我慢できねぇ」

乱暴に唇を奪うと鼻にかかった声がゆきから漏れて、それだけでゾクゾクする俺の体はどこかおかしいんじゃないかって思うくらい興奮してる。キスだけでこんなに気持ちいいなんて…

「赤也っ待って!」
「待てねぇって…ゆきはしたくねぇの?」
「そんなことないけど…今はまだキスしてたいの」

わがままだ。こんなにも俺を興奮させといて、そりゃねぇだろ!キスだけじゃ足んねぇ!そんな俺もわがままなのか?俺のこの溢れんばかりの欲望はどうしてくれる。

「赤也?」

不安げに俺の瞳を覗き込むゆきに、また体がゾクゾクする。眉尻を下げるその切なそうな表情がエロいんだよなぁ。

「じゃあ、俺の気が済むまでキスしてやるかんな」
「え!それは困る!」
「なんで?」

俺の問いに答えず目をきょろきょろさせて何も言わないゆきに、俺の悪戯心はくすぐられる。

「言わねぇとエロいことするぜ?」

そう言って、尻に手を回せば慌てたように俺の手を掴むゆきに口元が緩む。顔を真っ赤にして慌てるゆきは可愛くて、もっとそんなゆきを見てみたいとも思う。しかし、これ以上のことをされては困るゆきは「わかったから!」とすんなりとそう言っちまうもんだからつまんねぇ。

「あのね…赤也のキスが気持ちよくて…力が抜けちゃって、困るの…」

よく分かんねぇけど、ゆきは俺とのキスでメロメロになるってことだな。(そういうことじゃねぇの?)

「気持ちいいんだったらいいじゃん」
「だめなの!だから、手加減してね」

出来るわけねぇし。俺の気が済むまでするに決まってるっつーの。でも、そう言うとゆきは風呂から出そうだから言わないでおく。

「わかった、わかった。だから、早くキスさせろよ」

噛みつくように唇を奪うと、いやらしい吐息がゆきから漏れて俺はむらむらしてくる。もっと舌を絡ませたい。もっと体を密着させたい。俺、絶対我慢できねぇ自信ある。だって、もうゆきとやりてぇし、いろんなとこにキスしてぇしで欲が止まらねぇ。無理矢理したら怒るかな?そんなことを考えながら、ゆきの水着の隙間に手を差し込んだ。だって、もっとゆきといろんなコトしたいんだから仕方ねぇよな。


2013.08.11

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