続
□瞳の中に映るものvol.3
1ページ/3ページ
目が覚めると、いつの間にか副長はいなくなっていた。
神経を研ぎ澄ませてみたが見張りなどの気配もない。
『不用心な所だ…』
そう呟いて自嘲する。
副長が出て行った事に気付かない程寝入ってしまった自分が言える事だろうか、と。
少しすると、近付いてくる気配が一つ。
余計な詮索を避ける為に瞳を閉じて狸寝入りを決め込み、様子を伺う。
気配が私の眠っているベットの横まで近付いたその刹那、激しい殺気と共に刀を振り下ろす音が聞こえた。
本能的に隠していた小刀で相手の刀を受け止める。