水星

□電話はいかが?
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何時もと変わらずのはずの一日に、機械と手紙が何時もと変わりそこに存在していた。




電話はいかが?





「・・・何だ?」



不審すぎる存在。



私は神に近い存在で寿命とは無縁で長いこと暮らしてきたが、長い人生手紙がくるなど数えきれる程だ。



カサリ

手紙を開ける。


どうやら差出人は神、MZDのようだ。

燃やしたくなった。


が、しょうがないので読むことにした。





前略
テメェに電話をやるよ
感謝しろよ
後略




略しすぎだ・・・。



「・・・電話」


使うこともないものをよこすとは。


巷で有名な詐偽か?





電話へと手を伸ばした。






バチィッ



触れた所から電流が発生した。


・・・魔力を吸われたか。



自称神め変なものをよこしおって。



その無機物はプルプルと震えだす。





ニョキ ギョロ

手足が生え
目がついた



「・・・」


「・・・魂が宿ったか」



「・・・なんじゃこりゃぁあああ!?」


「煩い」



「オイラの身に何が!?」

「少しは静かにせんか」


「うわぁお。ネエさん別嬪だな」


「死ね」


「毒舌な所もいかしてんぜ。クールガール」


「廃品回収は何時だったか・・・」


「待って待って!自我があるのに捨てるのかよ!?」

「じゃぁ壊そうか」


「助けて下さい!!」








「オイラの名前はテリー66、よろしく」


「死ね」


「酷い!酷いよネエさん!!」


「ネエさん言うな」






「ん!?」


「煩い。何だ」


「ネエさんの家やけに広いんだな」



「・・・城だからな」


「城!?オイラって玉の輿じゃね」


「・・・玉の輿も何もお前は壊す気でいるが?」


「真剣な顔で言わないで下さいよ」


「真剣だからだ」


「オイラ泣いちゃいますよ」


「水分出るのか機械」


「自殺行為じゃん!!」


「だろうな」





城に声が響く。







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