図太い苗2nd.
□第一企画。
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あぁ、またこの夢だ。
少し前までは短くて、ぼんやりとした輪郭しかわからなかったのに。
少しずつ長くなっていっている気がする。
目の前の俺とそっくりな小さなこいつは一体何なのか、俺は知らない。
問いを投げ掛けても、理解出来ない返事が返ってくるし。
そして始まる。
覚えるくらい見てるのに、全く思い出せない夢が。
「お前は誰だ?」
「なーに?」
「だからお前………」
「きみはだーれ?」
「………俺は、ルークだ」
「よろしくねー、るーく。ねえるーく、あのね………。るーくはなーに?」
「ん?人間だが?お前は違うのか?」
「にんげんー?るーくはにんげんなんだー。でもにんげんってなーに?れぷ…かと、どうちがうの?」
「何だそれは?それに、お前は人間が何なのか知らないのか?」
「るーくは知ってるよ?」
「……………」
「るーくだいすきだよ!」
「な゛っ、いきなり何を言い出す!」
「えー、いお…がいったとおりにしたのになあ。『出会ったら友達、友達なら好きにならなきゃね!』って」
「それは余りにも急過ぎないか?」
「あれ?るーくぅ、だれかくるよー?………わあ!るーくきれい!」
「………?なっ」
「るーく、またねー」
俺の身体がいきなり光って、こいつが手を振る。
周りが真っ白になっていって、意識がぶっ飛んでいつの間にか目が覚める。
時折霞掛かった曖昧なところもあるが、これがこの夢の一部始終だ。
そこからいつもと変わらない生活が始まる。
心底詰まらない、俺の世界。
刺激なんていらないから、常識と現実を下さい………。
、