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□ありがとね/レイブン死ネタ
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『ありがとね、皆』
そんな言葉を残しおっさん――レイブンは目を閉じた。
「何で!?何でなんにも言ってくれなかったの!!」
「リタ、落ち着け…」
だって…と続けるがそれ以上は声にしなかった
カロルはずっと泣きっぱなし、エステルは暗くパティやジュディスも沈んでいた

それは朝の事でいつもの様に朝食を摂るため食堂に集まった
ただ、いつもと違うのは常に早起きのレイブンがいなかったことぐらいで
どうしたものかとエステルが様子を見に行き暫くして
「リタ!ユーリ!皆!大変です!レイブンが!!」
顔面蒼白、ただならぬ様子で駆け戻ってきた
すぐさまレイブンの居る部屋へと動いたのは俺で、自分でも解らないぐらい嫌な感じがした
すぐ後からきたリタはレイブンを見るなり駆け寄り叫ぶ
「な、何で!?ちょっとおっさん何で言わなかったのよ!!」
「どうしたリタッ………」
俺の思考はそこで止まった
全身に脂汗を浮かべ目は虚ろ、呼吸が荒く苦しそうなレイブンがそこにいた
「お、おい…おっさん……レイ、ブン」
「……ァ…せ、いねん?」
苦しそうに喋りながらもいつもの様にへにゃっと笑おうとし、それは失敗する
それを見るのが辛くて目を反らしたくなった
「ユー…リ、皆……ご、めんね?」
「喋らないで!!」
「リタっちもあり…がと」
「喋らないでってば!!!」
必死にパネルで心臓魔動器を治そうとする、が
「あぁあ!クソッ…何で、もっと早く気付かなかったの!!」
堪らず俺も叫ぶ
「おい、おっさん!レイブン!!」
「せい、ねん…だ、いす、、きよ……ありが、と」
あぁ、もう駄目だ涙がとまんねぇ
「ありがとね、皆」
そんな事言うなよ
もっとおっさんのクレープ食いたかった。もっと話して笑いたかった。


「!!…おっさん!」
「レイブン!!!」
気付けばレイブンは目を閉じ、生きていた証だった魔動器も止まっていた

「う、うわあぁぁぁぁあぁぁあああ!!!!!!!!!」

その後の事は何も覚えていない
ただ、日々が―レイブンのいない日々が過ぎていった………
 

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