太陽

□あの人
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第一印象は、「鮮彩」。
「繊細」ではなく、「鮮彩」だった。

 中学に入って、はじめて会ったその人は、
けして派手なわけではなく、むしろ地味な容姿だった。髪はいつもただのポニーテールだったし、顔立ちも普通。立ち居振る舞いもちっともキレイじゃない。でも、すごくあざやかな人だと思った。
おもしろそうな人だと思って、興味本位で近づいた。はじめは、本当にそれだけだったんだ。

  でも、とても惹きつけられた。
その人は、パッと身と中身が同じ人だった。見た目は前に言ったとうり。ずば抜けて成績がいいわけでも、何かに秀でているわけでもない。少々気が荒くて、喧嘩っ早くて、お金にうるさい、ただの人間だ。私達のクラスは、変人と呼ばれる種類の、強烈な個性をもった人が多かったから「普通」のひとは霞んでしまう。

でも、霞まなかった。
自分には無いモノをたくさん持っていたその人に惹きつけられた。まるで灯りにむらがる蛾のように。


気が付けばいつも追いかけてた。
気が付けばいつも話しかけてた。
気が付けばいつも笑いかけてた。


キガツケバイツモ・・・・・・










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