太陽

□華
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そこに美しい花がさく。あなたの目元に花が咲く。

水晶のような色をした、小振りで綺麗な花だった。
冷たく青く澄みわたる、清くあたたかな花だった。

咲いた花はすぐに散り、はらりはらりと宙を舞う。

すくい集めた手の平に、たっぷりと満ちた花弁は、
指の間からあふれ出し、その足下の地面を染める。

白い花も美しいけれど、僕が見たいのはアカい花。

冷たい色の小さな花や、あわく輝く大輪ではなく、
銀に舞い散る鮮やかな、ただ咲いて散るアカい花。

赤紅赫彤絑丹赬朱緋絳、色々あるけどどれも違う。

アカく燃えるその華を、僕に見せて下さいますか。
どんなアカより美しい、花が何より見たいのです。




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