太陽

□木花
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どうしてでしょう
あなたは確かに私(わたくし)を妃にと望んでくださりましたのに
私の姉よりも、姉とともに得る永久の命さえ捨てて
私を、欲しいと言って下さりましたのに
どうして今さら、私を疑われるのでしょうか

一夜で身籠ったからだとあなたは仰います
それがどうしておかしいのです?
人の子ならばいざ知らず、私たちには時など関係ないではありませぬか
あなたの父君とて、大御神が契らずにお産みになられたと聞きます
違いまして?

あぁ、私がどれだけ訴えても、あなたは聞いて下さらない
どうしてもと仰るならば、どうぞ産屋に火をつけて下さいまし
不義の子ならば裁かれましょうし、善き子ならば無事生まれましょう

あなたは天孫
その名においての裁きなれば、この木花之佐久夜、謹んで受け止めましょう




命の果敢無きを司る我が身なれど、許されるならば祈りましょう




言霊幸わう瑞穂の国、
このまほろばに、もう二度と、
女の涙の流れぬように

私と同じ哀しみを
他の誰もが味わわぬよう





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