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□33話目
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『……ゴホッ…ケホッ…』
「大丈夫か由衣!?」
由衣が泳げないという事で元海軍のコロネロが泳ぎを教える事になったが…
「……なんでこんなに泳げねぇんだコラ…」
いくらやっても一向に泳げる気配がない。
『私、体内に鉛かなんか入ってるんですかね?』
「んな訳ねぇだろ」
教える側、教わる側共に気力と体力を無駄に消耗するだけで上達の見込みがない
「由衣ちゃん」
『沢田さん…』
「どう?調子は」
『………まあ…そこそこ…』
「……(ダメなんだな…)」
「ツナ、由衣はカナヅチはカナヅチでも、100トンハンマー並みだぜコラ」
「えーと…俺も昔泳げなかっ『さっき泳いでたじゃないですか。見ましたよ。沢田さんがめっちくちゃ泳いでたところ』
自分の不甲斐なさと情けなさにだんだん心が荒んできた由衣。遠くを見ながらブツブツと『どうせ私なんて……』と呟いている
「……コロネロ…もう…」
「ああ。由衣、もう上がれコラ。お前は十分よくやった」
綱吉とコロネロに抱えられプールから上がると、近くにあった椅子に座らされた。
すると獄寺が飲み物を持って来た
「十代目!お飲み物をお持ちしました……って、由衣大丈夫か?」
『………大丈夫です…』
「少しは泳げるように…「隼人」
獄寺の言葉を遮って首を横に振る。
重苦しい空気の中、由衣がポツリポツリと話し出す
『私、結構運動神経はいい方なんですよ…格闘技とか……あちらではミントンとかカバディとかもやりましたし……足にも結構自信あるんです…沖田さんと一緒に悪戯して、土方さんにパトカーで半日追いかけられたりとか…』
それなのに…と由衣はため息をはく
『…そういえば、こっちに来る時も少しもがいて直ぐに沈みました……』
その言葉に綱吉達が眉を寄せる
「それって…トラウマじゃない?」
『トラウマ…ですか?』
不安そうな顔で綱吉達を見る由衣
「そんな事情じゃ仕方ねーな。浮き輪でも使えコラ」
『すみません…一生懸命教えてくださったのに…』
コロネロは「気にすんなコラ!」と言って、申し訳なさそうに謝る由衣の頭を撫でた