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□43話目
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朝食を済ませた由衣は正一の部屋に向かった。
軽いノックの後部屋に入ると、笑顔で迎えられた
「おはようございます。由衣さん」
『おはようございます。今日はスパナさんという方に会うんですよね?』
「うん。じゃあ行きましょうか」
そう言うと由衣の手を取ってスパナの研究室へと向かった
「ここです」
部屋の前で立ち止まり、軽くノックをして中に入った。
由衣もそれに続いて部屋に入る
「スパナ、どこだい?」
「ここ」
声の在りかを探せば、大きなロボットの向こうからヒョコッとスパナが顔を覗かせた
「スパナ、昨日言ってた日本人の子連れてきたよ」
正一が軽く由衣を前に出す。
由衣はスパナに向かってペコリと頭を下げた
『はじめまして。近藤由衣です』
「……」
由衣が顔を上げてもスパナはじっと由衣を見たまま。
由衣は困って正一を振り返る
「スパナ、挨拶しなよ」
「…あ…ごめん。見とれてた…」
『「はあ!?///」』
真顔で恥ずかしげも無く言うスパナに由衣と正一が赤面する。
しかし本人はそれを気にした様子も無く由衣に近づくとポケットから飴を取り出した
「やる」
『え、あ…ありがとうございます…』
由衣が戸惑いながらそれを受けとるとにこっと満足そうな笑顔を見せた
『……(変なお兄さんだな…でも悪い人じゃなさそうだ)』
「由衣」
『あ、はい』
「茶がある。飲め」
そう言って由衣の手を引くと、チャブタイと書かれたドラム缶の前に座るので由衣もスパナの隣に座った。
正一も由衣が隣にくるように手招きするとそこに腰を下ろした