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□44話目
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正一と共に部屋に帰る途中、由衣は見覚えのある魔女衣装を見つけた
『ジンジャーさんっ!』
「あ、由衣」
パタパタとジンジャーに駆け寄る
『もうっ!ジンジャーさん、ああいうイタズラは辞めてください!!』
「フフ、怒ってる怒ってる。面白いな♪」
『……ジンジャーさん…』
一向に悪びれないジンジャーにため息をつく。
ふと、視線を感じジンジャーの横を見ると、個性的な髪型の男が由衣をじろじろと見ていた
『あの…』
「見つけた、見つけた、見ーつけた」
髪型だけでなく、喋り方も個性的で思わず一歩後ずさる。
するとトン、と何かにぶつかった
『あ…すみません入江さん』
「………」
正一は無言のまま、由衣を自分の後ろに隠すようにする。
男はそれを興味深そうに眺めた
「こんなところで何をしている、グロ・キシニア」
「何をしているとは心外だな」
「グリチネの部屋は向こうだ。こっちに来る道理がない」
「ヒッ だからなんだ?」
由衣の目から見ても正一と男、グロ・キシニアは仲が悪い。
しかし由衣が口を挟めないのは当然の事、ジンジャーも二人を止める気がないのか、寧ろ少し面白そうにみていた
『……ジンジャーさん』
「ん?」
『止めなくていいんですか?』
「さあ?知ーらない」
『……(いい加減だなオイ)』
「………で?その小娘が例の女だろう?」
いつの間にか由衣の目の前にいるグロ。
由衣の体を上から下まで舐め回すように見た後、これまた個性的な笑い声を漏らした
『あ、はじめまして。近藤由衣と申します』
「グロ・キシニアだ」
『グロさんですね。よろしくお願いします』
そう言ってぺこりと頭を下げた