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□最終話
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早く 早く 早く
由衣が消えた窓に向かって、綱吉達は階段を上った
ここにも敵がいるとの予想に反して、屋敷の中は静かだった。
古い建物の中、愛しい少女を助ける為の足音のみが響いた
「──ここか」
階段を上りきった先の重厚な扉の前。
この向こうに由衣がいる
ガチャッとノブを回して扉を開け放った
しかし、そこには由衣の姿も僚堅の姿もない
「どこに…」
行ったと言うんだ。
ふと了平が目を留めたのは、部屋の奥にあるもう一つの扉。
あそこか、とその扉に手を掛ける。
するとそこには、さらに上へ続く階段があった
「沢田!これを見ろ」
「階段…。この上か」
「行こう」
照明のない暗い階段を、獄寺を先頭に上る。
階段の上の扉からは、薄く光が漏れていた
「開けます」
綱吉が無言で頷いたのを確認し、その扉を開けた
「やあ、いらっしゃい」
「「「っ!」」」
たどり着いた先は、この屋敷の屋上。
そこで出迎えたのは、意識のない由衣と、その頭に銃を突きつける僚堅だった
「てめぇ…由衣を返せ!」
叫ぶ獄寺を、僚堅は面白そうに眺める。
綱吉は獄寺を制し、一歩前に出た
「…僚堅、何故由衣ちゃんを攫った」
「アービレのバルゼは私の…「違う」
僚堅の言葉を遮る
「お前は、由衣ちゃんの何を狙っているんだ?」
僚堅はにやりと笑った