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□31話目
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数台の車に分かれ、アービレファミリーのアジトに向かう
「もうそろそろ着きます」
「ああ」
先頭を走る車の中で、綱吉は強く拳を握った
(守るって言ったのにっ…!)
後悔と焦燥が募る
(どうか無事で…)
そう願い窓の外を睨んだ
「………え…」
綱吉が見たのは、ふらふらと道を歩く一人の少女
「隼人っ!止めて!!」
「はいっ!!?」
キィィィィィーッ
綱吉の言葉に慌ててブレーキを踏む。かなりのスピードが出ていたので、道路に大きなタイヤ痕が残った。車が停止すると同時に綱吉がドアを開ける
「おい!!どうしたんだ!!?」
後続車を運転していた山本が窓から顔を出す。しかし綱吉はそれに答える事もなく少女の元へと走った
「由衣ちゃんっ!!」
『………沢田さん』
振り向いた由衣が少し驚いたように目を見開いた
「由衣!!」
「無事か!?」
見れば綱吉の後ろから由衣に気づいたリボーンや守護者達も走ってくる
「由衣…心配したぞ」
『ご心配おかけしてすみません…。私は大丈夫ですよ』
「由衣…ケガしてる…」
クロームがそう言って由衣の額にハンカチをあてる。由衣は少し眉を寄せたが特に抵抗はしなかった
「痛みますか?」
「今シャマルのおっさんに連絡するからな!」
『平気です』
冷たい声音に空気が凍る
「……でも…ちゃんと治療しなきゃダメだよ。車に乗って」
『………はい』
綱吉に言われるまま車に乗る
「ツナ、俺と雲雀はこのままアービレのアジトに行く」
「ああ。任せた」
「そっちは由衣を頼んだぞ」
そう言ってリボーンは雲雀と共に別方向へと車を走らせた
「俺達も行こうか。獄寺君、出して」
「はい」