2
□35話目
1ページ/4ページ
マフィアランド2日目 遊園地
『………遊園地の貸し切りって、よくドラマとかでお金持ちがやるイメージがありますけど…』
ぐるりと周りを見渡す
『…本来賑やかなはずの場所に人がいないと…なんか、こう…ホラー的な「もういい。それ以上言うな」
楽しげな音楽が流れる広い広い遊園地には自分達のみ。
不思議な不安感に苛まれるのか、ここでは誰一人として個人行動をとろうとしない。
群れが嫌いな雲雀でさえも、どちらかというと集団の真ん中辺りを歩いている。
「ちょっと読者、別にビビってるとかじゃないからね。そこのところ勘違いしたら咬み殺しゅよ」
『雲雀さん、誰に話し掛けてるんですか?なんでトンファー出してるんですか?あと咬み殺しゅって、もう既に噛み噛みです』
(((厳しっ!!!!)))
いつも以上にツッコミの厳しい由衣に綱吉達は内心首を傾げるが、迂濶に口を挟めば自分達にまで火の粉が降りかかるので本人には何も聞けなかった。
「ねぇ、どうしたの由衣ちゃんは」
「さぁ…昨日までは普通だったけど」
「アレか?極限にカブトムシ捕りに行きたかったとか」
「んな訳ねぇだろ。バカか芝生」
「んじゃあ獄寺はなんだと思うんだ?」
「………さぁな…(やっぱ昨夜の事、気にしてんのか…?)」
由衣に聞こえないように小声でやり取りする綱吉、山本、了平、獄寺。
皆見当がつかないようだが、最後の獄寺は何か知っている雰囲気だった。
「……隼人、何か知って『沢田さん』!!」
獄寺に何か知っているのかと聞こうとしたが、いつの間にやら由衣が後ろに立っていた
「えっと…何?」
『写メ。撮りましょう?』
「………………は?」
思いがけない由衣の言葉に間抜けは声が出た。
他の皆もポカンと口を開けている。
「え…あの…写メ?」
『…えーと……携帯電話のカメラ機能で写真を撮りましょう、でいいですか?』
「………」
そう言った由衣の手には一台の携帯電話が握られていた。