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□41話目
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「じゃあ、挨拶も済んだしそろそろ帰ろうか」
「えっ…」
綱吉の言葉にユニが声をあげる。
せっかく会えたのに直ぐに帰ってしまうのかと寂しそうな顔で由衣を見た。
「由衣…もっとお話したかった…泊まっていけばいいのに、無理…よね…」
『……ユニさん…』
切なそうに眉を寄せるユニを見て、由衣ももっとユニと話したいと思った。
『………っ、大丈夫ですよ!!鞄の中に着替えも入ってますし、沢田さんはお優しいから、2、3日なら滞在許可をくれるかもしれません!!』
「「「えっ!?;」」」
「…そう…かしら」
『はい!!きっと大丈夫です!!ね、沢田さん!!』
由衣とユニが期待を込めた瞳で綱吉を見る。
綱吉は二人の純粋な瞳と、リボーン達からのプレッシャーに挟まれてダラダラと冷や汗をかいた。
「…えっと…(どうしよう!!)」
由衣とユニの願いも聞いてあげたいが、帰って雲雀達に何を言われるかわかったものではない。
しばらく、返事をせずに苦笑いを浮かべていると、みるみる由衣とユニの表情が曇っていった。
『…すみません沢田さん…心配してここまで来てくださったのに、我が儘を言って…』
「え…」
由衣がそう言ってシュン、と肩を落とす。するとユニが由衣と綱吉の間に立った。
「違うのツナ。我が儘を言ったのは私…。由衣を叱らないで…」
「ええっ!?」
『ユニさん…』
「由衣、ツナ、ごめんなさい」
「ハハッ;完全に悪者だなツナ」
山本が後ろからそう言うと、由衣とユニが同時に頭を振る。
『「違う!!私がいけない(の)(んです)!!」』
「「「……;」」」
必死で綱吉と互いを庇う二人に、もう折れるしかないと綱吉達はため息をついた。
その一部始終を見守っていたγは必死で笑いを噛み殺していた。