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□48話目
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その日の午後、庭の木陰で本を読む由衣にランボが声を掛けた
「由衣」
『ランボ君…』
ランボが隣に腰を下ろすと、本を閉じた
「読書中だった?」
『ううん。前も読んだ本だからいいの』
「そう?」
『うん。……あ…』
ふと何かを思い付いたような由衣に、「何?」と首を傾げる
『イタリア語って…難しい、よね』
「イタリア語覚えたいの?」
『簡単な日常会話でいいんだけど…無理かな?』
「そんな事ないよ!由衣ならすぐ覚えられるって」
教えてあげる、と言うランボに、由衣は深々と頭を下げて、お願いします!!と言った
「由衣、アホ牛にイタリア語習ってるんだって?」
数日後、執務室にお茶を持って行った時、獄寺が言った言葉に由衣はこくりと頷いた
「チッ、んなアホに頼まなくとも、俺が教えてやったのに」
『ご、獄寺さんはお仕事が忙しいじゃないですか…』
由衣がそう言うと、雲雀が「ああ…」と呟く
「暇そうな奴に頼んだんだ」
『そうじゃなくて!ランボ君なら歳も近いし…話しやすいですから…』
「それだと俺達が話しづれーみてーに聞こえるぞ」
ジロリと睨むリボーンに由衣は慌てて手を振った
『そ、そういう意味じゃなくて…えと、その……沢田さぁん;』
リボーンの威圧感に耐えきれず綱吉に助けを求める。
眉を下げて困ったように笑うと、よしよしと頭を撫でた
「まあ由衣ちゃんからすれば唯一敬語無しで話せる相手だからね」
「俺達だって敬語で話さなくていいんだぜ?」
山本がそう言うと、由衣は即座に首を横に振る
『一、二歳だったらまだしも、皆さんにそんな無礼な真似はできません!』
「ま、由衣らしいっちゃ由衣らしいんだけどな」
山本が少し残念そうに言うので、由衣は小さく『ごめんなさい』と言った