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□51話目
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『……』
中庭の木の下。
膝の上に置いた本のページを捲るのも忘れて、由衣はぼんやりと空を見上げた。
昨夜の綱吉と今朝のリボーンが言った事を思い出して、頬がカァっと熱くなる
(私は江戸に帰るのに…なんであんな事…///)
うーん、と頭を抱えると、ポンと肩を叩かれた
「由衣ちゃん?」
『フゥ太さん…』
今朝の一件を知らないフゥ太は、由衣の顔を見てキョトンとした
「何かあった?」
『それが…その…』
由衣は昨夜の綱吉の事と今朝のリボーンの事を話した
『私…どうしたら…』
シュンと肩を落とす由衣の頭を撫でる。
由衣は目を閉じてフゥ太の体に寄りかかった。
ランボに次ぎ年若のフゥ太には由衣にとっていい相談相手だった
「ツナ兄達の事嫌い?」
『そんなっ、沢田さんもリボーンさんも、私にとっては命の恩人です。嫌いな訳ありません!!』
でも…と続く
『恋愛とか…そういうの、まだよくわからなくて…』
しゅん…と肩を落とす由衣を、フゥ太は優しく見つめる
「恋愛がわからなくても、嫌いじゃないなら、ちょっとでも好きって思うなら、今はそれで十分だよ」
『……沢田さん達はあんなに良くしてくださるのに、私は自分自身の事で精一杯で…それでも好きって言ってくださるのが…なんだか申し訳ないんです』
「大丈夫。ツナ兄もリボーンも、由衣ちゃんを困らせたくて言った訳じゃないんだから、ちゃんと待ってくれるよ」
『……はい』