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□54話目
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「……おはよー…」
「おはようございます!十代目!」
まだ眠い目を擦りながら綱吉が食堂に入る。
いつもなら、由衣の作った温かで美味しそうな朝食がテーブルに並んでいる
だが、今日は違った
「あれ…? 由衣ちゃんのご飯じゃないの?」
先に席についていた山本は苦笑気味に答える
「寝坊じゃね?」
「……」
「ツナ?」
綱吉が渋い顔をしたのを、山本は不思議そうに見る。
その間も食堂に集まる人々は、皆一様に由衣がいない事に首を傾げる
「チッ、仕方ねーな。俺が起こしに行ってやるか」
「待て、リボーン」
リボーンがニヤリと笑い席を立とうとすると、一人深刻な顔をする綱吉がそれを制した
「…俺も行く」
「…ああ」
超直感。
何かを感じ取った綱吉に、リボーンは口元の笑いを消した。
全員にこの場で待機しているように言い残し、二人は足早に由衣の部屋を目指す
コンコン
「…由衣ちゃん、入るよ」
寝ているなら返事はない。
念の為一言断ってから、ガチャリとドアを開けた
───その部屋に、由衣の姿はなかった
ツヅク