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□55話目
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───その頃、由衣はイタリアの街を歩いていた
(…なんとか電車と駕籠屋でここまで来たけど…どこだろう?)
少なくとも以前買い物などで来た場所よりは、ずっとボンゴレ邸から離れている。
しかし全く土地勘のない由衣にはどの程度ボンゴレ邸から離れれば綱吉達に見つからないのかわからない
由衣が一歩歩くたび、通りで軽いざわめきが起こる。
着物を着た日本人、しかも黒髪の美少女に注目が集まった
(なんかすぐに見つかって連れ戻されそう…)
はぁ、とため息をつこうとした時、それより先に、ぐうぅ…と腹が鳴った
(…あー…朝から何も食べてないんだっけ…)
周りをキョロキョロ見渡すと、一軒のカフェが見えた。
由衣は、よし!と気を取り直してまずは腹ごしらえをしようとその店に入った
『えっと…び…Vorrei un caffe` e un cornetti.』
「Si.」
ふーっと息を吐く。
なんとか通じたようだ。
ランボに習ったイタリア語が通じた事に安心し、窓の外を見る。
すると、一台の車が向かいのビルの前に留まった。
黒塗りの高級車に、一瞬ハッとしたが、ボンゴレの車ではなかったようでホッと息を吐いた
(さすがにまだ見つかんないよね…)