小説
□告白遊び
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ヘイガニから別れた後、ワカシャモは考えながら歩いていた。
(…あんな風に冗談で言った時……ジュプトル……どうやって受け止めてくれるんだろう…。)
(あたしが今やったのみたいに…笑って受け流すのかな…。)
(……それとも……。)
ハッ!とワカシャモは我に返る。
(そんな訳ないじゃない!)
ブンブンと頭を振る。
(あいつ恋愛沙汰鈍いから…。やっぱ笑って受け流す、か…;;もしかしたりしても、きっと『like』の意味で返してくるわね…;;)
はぁ、と溜息をつくワカシャモ。
「…どうしたんだ?」
「!?」
突然頭の上から声が降ってきた。
ワカシャモは驚いて上を見上げる。
…すると、そこには、ジュプトルの姿があった。
彼はひらりと飛び降りると、ワカシャモの隣に着地した。
「…どうしたんだ、溜息なんかついて……。」
「ううん、何でもないわ!…ちょっとね。」
『今しがたまであなたの事を考えてましたvv』なんて言える訳がない。
そこでワカシャモは、ふっと先程のヘイガニとの会話を思い出した。
(…エイプリルフール…か…。)
いざ考え付くと、やってみたくなる。
ワカシャモは思い切って口を開いた。
「ジュ、ジュプトル!」
「?…何だ?」
「…あの…私……。……………。……えっと………っ…/////」
「?」
「…私…ジュプトルの事が……ッ!……す…………/////」
「え?」
「……好きっっ!!」
…言い切った。
例え嘘のつもりで言ったとしても、やはり恥ずかしい。
ジュプトルは最初、自分が何を言われたのかよく理解していなかったようだったが、やがてああ、と言った。
「…あのさ」
「…なんて…っっ!!」
「…え?」
「えっと…ほ、ほら、今日エイプリルフールだから!」
「…………。」
「1回やってみたかったのよ。ジュプトルだったらどんな反応するかなーって!」
「………………;;」
今度はジュプトルがはぁ…と溜息をついた。
「……日にち間違ってるぞ。」
「…え゛。」
…ワカシャモ、絶句。
その様子を見たジュプトルは……。
「…くっ……っははははっ!」
「…!?」
…何故か、急に笑い始めた。
「…ジュプトル…??」
「悪いな。今のも嘘だ。」
「………………;;…じゃあ、やっぱり今日エイプリルフールなのね…;;」
「ああ。」
「なーんだ、びっくりした…。」
ワカシャモはほっと息をついた。
(まぁ…ジュプトルの事が好きなのは本当なんだけどね…。)
「…ねぇ……。」
「何だ?」
「ジュプトルは、あたしの事どう思ってる…?」
思わず聞いてしまって、ワカシャモは慌てて口を押さえた。
「あ、あの、ちがっ…っっ!///…き、気にしないでいいから…っ!!」
「…仲間。」
「…。…あ…。」
「…仲間。」
ジュプトルは、ふっと笑う。
「…それも嘘…?」
「んな訳ねぇだろが。」
そうよね、と呟くワカシャモ。
少し残念なような、ほっとしたような。
(…やっぱそれ以上はムリか…;;)
「何だよ。」
「…何でもないっ!」
その後2匹は、笑い合いながら仲間のもとへと向かって行った。
*end*
オマケ:勿論ヘイガニはずっとストーカーしてました。(笑