小説
□研究所のひなまつり
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――――カントー地方……。
ここは、かの有名なオーキド研究所。
ある日、一見平和に見えるこの場所で、とんでもない騒動が起こった…。
「ウフフフフフフ♪」
ベイリーフが、朝からなにやら嬉しそうだ。
「ウフフッ♪ウフフフフフ♪」
「…どしたの、ベイリーフ…。」
そんな彼女に、ヒノアラシが話しかける。
「あ、ヒノアラシ!…フフ、今日は何の日だと思う?」
「??…3月3日……あ、ひな祭り?」
「あったりー♪」
ベイリーフは再びフフフと笑った。
「と、いうことは?」
「……。…桃の節句?」
「あ〜、それもあるけど…。」
「ひしもち?ひなあられ?いやまさか、ヘイガニじゃあるまいし…。」
「いや、違くて!…誰のお祭り?」
「お内裏様とお雛様……。」
「…………。」
「え、違った?」
「いえ…あってる、けど……;」
ベイリーフの笑いが段々苦笑いに変わっていく。
「女の子のお祭りよ。お・ん・な・の・こ・の!」
「…ふーん…。」
「(コケッ)…ふーんって…。」
「それで?」
「そうそう、それで…。」
にこっと笑う。
「サトシの手持ちの中で女の子ってあたしだけでしょ?」
「え、エイパムもといエテボースい」
「どうせあのお転婆猿ここにいないし、第一サトシがヒカリ?って人と交換したらしいし。」
「(そうなんだ…;;)」
「と、言う事で、今日はあたしのお祭りだからっ☆」
「…………。」
ヒノアラシは首を振ると、付き合いきれないという顔でその場を去っていった。