小説
□告白遊び
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……春うらら……………
…ざわ……と木の葉が揺れる。
森の中、池のほとり……。
そこで、ヘイガニとワカシャモが向かい合って立っている。
しばし間を置いて、ヘイガニが一歩、ワカシャモに近付く。
「………ワカシャモ…………。」
「…なあに、ヘイガニ、こんな所まで呼び出してきて……。」
「……あのさぁ……。」
ヘイガニは一瞬、ためらうように視線を泳がせた。
「…俺……さ…。」
「?」
「…俺……ワカシャモの事……ッ!」
『ワカシャモの事が……』
『――――――…好………―――――――』
(…なんて、言える訳……!!)
「どうしたのよ、ヘイガニ?あたしがどうかしたの?」
ワカシャモも微妙に感付いて、少し焦っている。
「………なーんちゃてなっ☆」
「…へ?」
唐突に出た言葉。
ワカシャモはきょとんとしている。
「んなワケねぇじゃん!ウソウソ☆」
「…ってちょっ、あんた……!」
「まぁまぁそう怒んなって!…今日は何の日だ?」
「え?…4月…1日……。…あ、もしかして、エイプリル…。」
「…そ、エイプリルフール。4 月 馬 鹿 ☆」
「なっ……!!!」
ワカシャモが軽く赤面する。
「…いくら嘘をついていい日だからって、驚かさないでよ…一瞬本気でビックリしたじゃない…;;」
「あっははは、悪ぃ悪ぃ♪ちょっとやってみたかっただけ☆」
――――……ツキ…――――
「もう…;;…やめてよね?」
「…あ、一瞬本気にしたとか?…まさか……俺のことちょっと気になってる?」
「んなワケないでしょ!!」
「だよな〜。(予想してたけどなんか悲しい…;;)…あ、じゃあまさかのナルsぐほっ!!;;」
「馬鹿言わないで!」
「…へへ、冗談冗談♪;;お前も使ってみたら?」
「…そうね…。」
「もし言うとしたら?」
「…反応面白そうな……。………。あ、あんたしかいないわ。」
「…おい!!」
「まあ、あたしはあんたよか好きな人いるし……。」
「…え?」
「え?あ、あ、何でもないっ!!///」
「…まぁ……どうでもいいけどな!」
――――――…ウソツキ…―――――――
―――――…本当は好きなくせに…―――――