小説
□短文集
2ページ/18ページ
「よういっ」
膝を床から離し、教室の向かいの壁を見つめる。
「どんっ!」
*雑巾がけレース*
ほうき係のジュカインの合図で、一斉に床のタイルを蹴って飛び出す。
掃除の時間恒例の雑巾がけレース。
…俺達の、掃除中の唯一の楽しみだ。
ガッ!
「どわっ!?」
思わず出たそんな間の抜けた声と共に、俺は頭から派手に前のめりにすっ転んだ。
…その瞬間、横から聞こえてきた声。
「へへっ、オオスバメ、お先ぃ♪」
…あんなろぉーーッッ!!!
どうやらヘイガニに足を引っ掛けられた模様。
上位にいたのが、一気に順位が下がってしまった。
というか、既に先頭のオニゴーリは反対側の壁につき、ターンに入っている。
…っく!
このままでは全員分の雑巾すすぎとバケツの片付け(とその他雑用)をやらされてしまう…!
何としてもビリにはなりたくない…!
幸い後ろにコータスとヌマクローがいる。
このまま抜かされずに…。
…と、そう都合良くも行かないようで。
「だーーーッ!(怒)バシャーモどけーーッ!!」
「へ?;;え、あ!ごめんごめん;;」
…何と今度は黒板掃除のバシャーモがコースを横断。
コータスとヌマクローにも抜かされてしまった。
(…も、いいや…。(TT))
ここでどこか諦めのついた俺は、力を抜いた。
そして結果は、勿論ビリ。
…ちなみに先頭では攻撃(足掛け、蹴り、足引っ張り)の仕掛けあいが行われてたとか何とか。
数分後。
「ハァ〜…。(TT)」
「そんな溜め息つくなら何で諦めたんだよ…;;」
俺は今水道で雑巾をすすいでいる。
隣にいるのはジュカイン。
「だって…バシャーモが…。」
「あの後だって抜かせたろ。」
「でも、怪我とかしたら嫌だし…。」
「その程度でするか。」
「…そこまで燃える事じゃないし。」
ジュカインは軽く笑って、まぁお前らしいけど、と言った。
「でもさぁジュカイン、ヘイガニとかオニゴーリのあれは反則じゃないか?」
「別にどうでもいいし、あいつらに何言っても無駄だろ。」
「まあ…。」
「しかし実力の割りに運のない奴だよな…。1週間連続雑巾すすぎか?」
「言うなら手伝ってくれよ。」
「嫌だ。」
…即答。
まぁそりゃそうか。
最後の雑巾を絞り終え、教室へと戻る。
次の授業は数学だ。
〜〜〜〜〜〜〜〜
掃除の時間に思いついたネタ。
今更ですがオオスバメ視点。(←
うちの中学では毎日欠かさずこれが行われています。(笑
まぁ蹴りあいとかはないですが、レース妨害(横断)やフライングやコース途中でのターンは日常茶飯事です。
キリカはたまに参加しますよ。
早く終わるんだこれが。
駄文しか書けませんすみません。(←