小説

□この気持ちのある限り、
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…守りたかった。










『コイツに指一本でも触れたら承知しねぇぞ!俺が相手だ!』
『…ッ!ヘイガニ…!』










…守り切れなかった。










『これ以上、ヘイガニに手を出さないでーッ!』























…俺は、何て―――



** こ の 気 持 ち の あ る 限 り 、 **








「進化できて本当良かったよね。おめでとう!」
「ええ、ありがとう♪それより…さっきはごめんね;;」
「いいよいいよ。ヘイガニとはもう仲直りしたんでしょ?」
「まぁね。」



ある日の午後。
ワカシャモとミズゴロウが木の下で談笑している。

「何かたくましくなったな…;;」
「あんなに泣き虫だったのにな。」
「そうそう!さっきも凄かったんだから!こう、相手のキノガッサをさ…。」

少し離れた所では、オオスバメとジュプトル、ピカチュウが話している。


そして、仲間達の輪に入らずに、少し離れた場所の木陰に佇む者が…1人。



「…ワカシャモ…か…。」

彼――ヘイガニは、はぁ、と溜め息を吐いた。




***




数時間前、森で昼食を摂っていたサトシ達は、突如キノガッサ達に襲われた。
そして、気が立っている彼らのマッハパンチを受けて飛ばされ、離ればなれになってしまった。
そんな中、ヘイガニとアチャモは偶然同じ所に飛ばされ、一緒に仲間を探した。
すると、再びキノガッサ達が襲ってきたのだ。




「てめぇら、コイツに指一本でも触れたら承知しねぇぞ!俺が相手だ!」
「ふん、強がりを…。我らキノガッサ族を舐めるな!そこまで言うのならば、まずは貴様から始末してくれるわ!」
「ぐあッ…!」
「…ッ!ヘイガニ…!」


ヘイガニは必死で戦ったが、数でも、そして相性でも、圧倒的にヘイガニが不利だった。



ドギャンッ!

「うぐ…ッ。」
「さて、そろそろとどめを刺すか。」
「…ち…畜生…負け、て…たまるか…ッ!」


岩壁に叩き付けられ、絶体絶命となった…その時。


…ザッ!

「…!」


何と、今まで泣きそうになって見ていたアチャモが、ヘイガニの前に出て、キノガッサ達をギッと見据えたのだ。
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