小説
□小ネタ
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――絶望するのはまだ早いぞ。
(……………。)
――メタナイト。
(あぁ…分かっている…。)
分かっている。
しかし、私は目の前の光景に失意を感じずにはいられなかった。
地に広がる炎が、この星の空を赤く染めていた。
動くものは、無い。
戦いは終わった訳では無いのだ。
私にはまだやるべき事がある。
もし【彼女】が無事だったならば生まれくるであろう、【希望】を探さなければ。
頭ではそう考えながらも、私はただただ、拳を握り締めてその場に立ち尽くしていた。
…あれから、どれだけの時が過ぎただろう。
《序章―わかみそめたるくれなひに》
かつて、多くの星々を巻き込んだ、大きな戦いがあった。
銀河大戦。
宇宙の征服を目論む男―ナイトメアと、彼に対抗すべく結成された、自由を愛する者達の集まり―銀河戦士団との戦いを、人々はそう呼んだ。
ナイトメアに対抗し得る力を持つ者は『星の戦士』と呼ばれ、日々ナイトメアの繰り出す魔獣達と戦っていた。
戦いは、とてつもなく長い間続いた。
何十年なんていう生易しいものではない。
何百年、何千年の単位で、星の戦士達は戦い続けたのだ。
…そして、彼らは敗れた。
今から数百年前の事だ。
銀河戦士団は壊滅し、僅かな行き残りも、魔獣の手によって一人、また一人と殺されていった。
―もう、星の戦士は行き残っていないのか。
―ナイトメアを倒す者は、もう現れないのか。
―このまま、宇宙はナイトメアの手に堕ちてしまうのか。
人々は、そんな不安を抱き続けていた。
しかし、希望はまだ無くなった訳では無かったのだ。
星の戦士は、生きていた。
例え両の指で数えられる程の数になっていたとしても、彼らは決して諦めはしなかった。
じっと息を潜め、屈辱に耐え、魔獣の目から逃れながら、生き延び続けた。
彼らは待っていたのだ。
圧倒的な力をその内に秘めた、次世代の星の戦士―カービィと、意志を持つ特別な剣、ギャラクシアに選ばれし者―メタナイト。
2人の立ち上がる、その時を―――
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『我が身染めたる紅に』。
タイトルは割と適当です。(←
アニカビプロローグ的な何か。
最初卿に話し掛けてるのはギャラクシアです。