Novel Long
□ディノひば←骸
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――並盛中・応接室――
そこではいつも通り僕は風紀の仕事をこなしていた。外を見れば野球部がグランドを走っている。いつも通りの光景。ただ違うのは校門付近に赤いスポーツカーが停まっていることだった。
(あの人…来てるのかな。)
そんな事をぼんやりと考えていると勢いよく応接室のドアが開いた。
「恭弥ぁ♪」
「(やっぱり……。)……あなた来てたの。ノックぐらいしてよね。」
「硬いこと言うなよ♪恭弥に会いに来たんだぜ?」
「そう。」
応接室のドアをノックもなしに勢いよく入ってきたのは一応僕の恋人、ディーノだ。
ディーノはイタリアでマフィアのボスを務めている為、あまり日本には来れないのだが、僕の家庭教師、という名目で度々日本に来日している。
そんな彼を僕は適当にあしらい、風紀の仕事を続けていた。
「む……わかってないな恭弥は…。」
不機嫌そうに言いながらも絡らんでくるものだから僕は仕方なく風紀の仕事は後回しにした。
「はぁ…何なの?」
「恭弥、こっちこいよ。」
「…………?」
言っている意味が分からずに近寄ってみる。
「捕まえた♪」
ディーノがいきなり僕の腕を掴んで抱きしめてきた。
「!?ちょ、なにしてるの!?離してよ!!」
ディーノの腕から抜け出そうともがいてみても力の差は圧倒的だった。
「だーめ。」
「放せっ!!」
「ダメだって♪」
「………はぁ…。」
この状況ではどうにもならないのでこの男が諦めて手を放すのを待つことにした。
「……♪恭弥…♪」
「ん……?っん…!?っふ…ぁ…///」
突然目の前が暗くなった。
唇には生暖かい感触がある。
「っ…ふ…///」
口の中に生暖かいものが侵入してきた。おそらく舌をいれてきたのだろう。
「ん……。」
いい加減息が苦しくなり離れようとするが後頭部を掴まれてて離れることができない。
「っ……は…。」
僕のなかに唾液を流しこむと満足そうに離れていった。