short story
□陣風ミニマム
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郁は完全に目を覚ました徹を確認すれば、先にリビングへと戻って行った。一方の徹は着替えを済ませ、それを追う。
徹がキッチンに顔を出す頃には、郁によって作られた食事が食べられるのを待っているかのように白い湯気を上らせていた。それらはどれもこれも、おいしそうに瞳に映される。
だが、この食事につくまで、郁が徹に対して怒鳴り声等をあげなかったときはないに近い。まぁ、徹もそれを故意でやっているわけだから、徹自身に非がないわけではない。
そしてとりはじめた朝食。郁はそちらはさっさと済ませて、夕食の準備に取り掛かっていた。