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□愛娘計画
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桜の木が薄ピンク色に色づき、温かい日差しが心地よい。
ウグイスがホーホケキョと春の音色を奏でては、淡い水色の空を気持ちよさそうに浮遊している。
春爛漫。
眠気を誘う昼下がり……
死武専保健室の先生ことメデューサは頬をピンク色に染めながら、保健室の窓から空を眺めていた。
春の温かい風にさらされた薄ピンク色の花びらが、ヒラヒラと春の舞いを披露している。
そんな景色をメデューサは今にもとろけてしまいそうなくらいに幸せそうな表情で見つめていた。
「あぁ…マカちゃん。どうしてあなたはマカちゃんなの…!?」
メデューサはどこかで聞いたようなセリフを口走った。
しかし、次の瞬間、今までの幸せそうな表情とは打って変わり、メデューサの眼はつり上がり、恐ろしい剣幕に変貌した。
「はぁ…。それに比べ、うちの子ときたら…!!全然使い物にならない役立たず!!何であんな子が私の子なの!?」
口から蛇をチョロチョロと出しては引っ込め、保健室の空気をピリピリと震えさせている。
しかし、また恐ろしいまでの表情は一瞬にしてコロッと変わった。
「マカちゃん…なんて可愛い子。顔もいいし、頭もいいし、しっかりしてるし、いろんな意味で強い子だし…、もう言うことないわ!!まさに私の理想の子供…!!」
メデューサは自分のキャラはお構いなしにデレデレとマカについて話しだした。
「はぁ…、何で私の子供じゃないのよ。」