ロング


□慎吾さんと利央くん
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あーやっちまったな。
まさかこんなことになるなんて



「ちょっと慎吾さん!!」

むきぃーって効果音のしそうな勢いで利央が俺の方に走ってきた
やば、きた!
反射で逃げた俺を「ちょっとちょっとー」なんて間抜けな声を出して追ってきた


「なんで逃げんの!?」

「なんでだと!?利央菌がうつる!」


振り返って言えばまたあの利央の顔


「ぷっ!」


耐えらんねーと笑い出したのが不味かった
スピードが足りなくなったらしく、俺はあっさり利央に捕まった


「ちょっと!なんなの!?急に!!」


あ、こいつもしかして
俺はこの反応の利央を見て一つの仮説を立て、それを立証させるべく利央に鏡を無言で渡した
なんのことかわからなかったようだが、渡されたらとりあえずと利央は自分の顔を映して

そして


「ちょっとーー!!なにこれ!?」

「ぶはぁーーっははは!!!!!!!!!!!」


やはりだ。
気付いてなかったらしい利央は己の顔を見て大絶叫した


「誰がしたの!?慎吾さん!!?」

「まさか。クラスのやつだろ」


こいつクラスでもこんな扱いなんだと思うとウケたが少し不憫にもなった
しかし、笑いが止まらない俺が気に入らなかったらしい利央はトイレについてこないとダメというなんともお子様的な罰を俺に課した


結局冷静になった俺が「メイク落としないと無理だろ」と言い教室に戻り、女子から借りた
その間も終始うつ向いている利央が面白く可愛かったので少し茶化そうと


「こっちをむいて、お姫様」


と手を取り優しく言ったのだが、叩かれた
その反応にまた爆笑した
利央は「いつか慎吾さんも同じ目に合ってしまえ」と嫌事を言ったが全くダメージはなかった


結局トイレに着き、綺麗に化粧を落とした時には授業が始まっていたのでサボることにした


「本当、災難だったよ」


むくれている利央に「こっちの台詞」って言うと、少し間をあけて小さな声で「ありがとう」と言った

全くこいつはと頭を撫でると変態だセクハラだと騒がれた


「変態にセクハラってお前は…。でも、化粧したお前なかなか可愛かったぜ?」

「…慎吾さん、そうやって女の子落とすんだね」


全く繋がらない事を言われたが、なんだか利央は紅くなっていた






その後





利央の化粧事件の日の放課後、部室に着いて着替を始めると利央が入ってきた

「よぉー利央。犯人クラスのやつだった?」

「あ、はい」


利央は、一言だけ残して去って行ってしまった
なんだか様子がおかしい
首を傾げていると強敵山ちゃんがニヤニヤしながらどこからともなく現れた


「利央、変だね」

「あ、やっぱり?」

「いつもだったら、もっと、ね」

「そうそう」


やっぱり変だよな
クラスのやつとなんかあったのか?
人がせっかく考えていたのに空気が読めない男山ちゃんは思わぬ一言を放った


「こっちをむいて、お姫様」

「…なんで?」

「偶々後ろにいた」


本当に偶々なのか怪しいが下手に詮索をすれば巻き込まれることがわかっているのであ、そうと軽く流した


「そう、ここで俺は考えた」


ニヤニヤ顔から真面目な顔に切り替えた山ちゃんは人指し指を立てなんとなく探偵を気取っている


「なんだよ」


正直いえばどこから考えたのか全くわからない


「ずばり!!」

「ずばり?」

「恋患い」

「は?」


それだけ残して山ちゃんは去っていった
恋患い?
利央が?
どこと繋げたらそうなる?


全くわからない俺は利央の方に視線をうつすと目が合った
そして、顔を紅く染めた利央は俺から視線をそらした

山ちゃんの方を見るとニヤニヤとしていた



…恋患い…



これはなにか起こりそうだ
そう思って俺はおとなしくユニフォームに着替えた






まさかの慎×利ww
発端話書いたんだが、めんど……長くなりそうだったので省略

きっと今後の慎吾さんは結局利央と引っ付くだろうな(笑)


色々穴だらけでごめんなさい;

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