短編

□飢えた毒の酒盛り@
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再び現パロ漫画版大人ユーリ。





ユーリさんに私の心と身体を略奪されてから早1ヶ月が経った。
一番ほっとしたのが女の子の日が来たこと。
生理痛ひどすぎたけど、来ないよりかはましだし。てゆーか、結婚もしてないのに女の子の日が来なかったら……想像するだけでもおっかない。



ユーリさんは相変わらず私に歯が浮くようなセリフばっかり言ってくるけど、ユーリさんと交際に発展する前にいた元カレの記憶は完全に消えた。





仕事をこなす処理の能率も昔と遜色ないほど、回復した。
仕事関係も徐々に修復している。
よかった。



と、思いたいのだが、そうもいかない。






「マヤくん、仕事の調子はどうかね?」

「そ、そうですね……。ぼちぼち、です」

「そうかそうか。なら今夜、飲みにいかないかい?」



私の尻を揉むなクソ野郎。



うん。どの会社にもいるだろう。セクハラ上司。
彼氏と別れたことを機に、ほぼ毎日のセクハラと飲みに誘われる。
はっきり断れば何が起こるか分からない分、扱いが面倒。






「わ、私は普段飲まないので……」

「いいじゃないか、酒を飲んで仲良くしようじゃないか」

「け、結構です……」

「私の酒が飲めないって言うのかい?」




ああ、他の社員の視線が痛い。
でも、このセクハラ上司を止められるやつなんか私の所属する部署には誰一人としていないのが現状だ。








「またマヤさん、あのセクハラクソ親父に絡まれてるね……。マヤさんに彼氏がいた頃は絡まなかったけど、別れてから迫ってきたよね……」

「前々からマヤさんを付け狙っていたよ、あのセクハラ部長」

「えっ、そうなんですか!?」

「助けてあげたいけど、あの部長ってちょっと言っただけですぐ左遷するから嫌なんだよね……」

「耐えてー、マヤさんー!!」

「そして誰か助けてー!!……って、あ……」

「あれ?なんか……寒い?」



耐えますとも!!可愛い後輩たちのためなら耐えますとも!!
てゆーか、誰か助けろ!





「マヤさん。ちょっといいですか?」


おや、この小野賢章は……。
見ればユーリさんが怒りやら殺気やらの禍々しい、恐ろしいオーラを出しながら部長を笑顔で接している。


ああ、道理でなんか室内の皆が静かだと思ったよ。
このユーリさんの背景にはグロテスクな食虫植物が見えるのは気のせいかしら?怖いのね、みんな。



「おや、ユーリ君……。何の用だね、私はマヤ君と大事な」

「しつこい男は嫌われますよ、部長。マヤさん。こちらの書類ですが、少々大事な質問があります」

「え、あ……はい、分かりました」

「部長。彼女は過大なストレスを抱えて胃潰瘍になっているので、彼女にお酒はお控え願いたいですね。治りかけが一番油断しやすいですからね。
ねぇ、係長?」

「そ、そうそう。彼女、胃潰瘍でお酒の席は医者から止められておりまして……」

「む……そうかね」



なんだこの超有望ユーリさんと係長の不思議なコンビネーション。



ユーリさんはセクハラ部長に絡まれてどうしようかと悩んでいた時、丁度タイミング良くユーリさんがありもしない嘘で助けてくれた。
空気が安堵に包まれた中、私はユーリさんの所属する部署に一緒に向かった。




「あ、マヤさん。ユーリさんの所から戻ったら仕事の話があるから」

「分かりました。終わり次第向かいます」





私はユーリさんと一緒に部署を出た。




















ユーリさんと向かった先はいつぞやの旧資料室だった。
前後左右を確認して旧資料室に入ると、ユーリさんは早速私をユーリさんの胸に引き寄せた。




「大丈夫ですか?」

「お尻を揉まれました……」

「汚いゲス野郎が……僕のマヤに触りやがって……」

「ユーリさん、素が出てます」

「おっと……」




あやすように、ユーリさんは私の背中を上から下へと撫でていく。頬に軽くキスもする。
私もユーリさんの背中に腕を回して抱きついた。




「しかし、胃潰瘍って……」

「ゴメンね。あのセクハラ部長を完全に追い払うにはああ言うしかなかったんだ」

「うん。分かってる……」

「嘘ついて、本当にごめん……」

「謝らないで……。引き離してくれて嬉しかったから……んっ」




ユーリさんは私の後頭部を押さえてそのままキスをした。
貪るように角度を変えて、唇を動かして、舌を私の口内に侵入して暴れていく。
私の唾液が、ユーリさんの唾液とねっとり絡んで……。リップ音も病みつきになる。




「ん………」

「ん……もっと。ユーリさん……」

「仕事中だからここまでです」

「職権濫用してくださいな」

「だぁめ。続きは夜、僕の部屋」

「はい……」

「帰り、送るよ。泊まっていくでしょ?」

「はい」




年下に完全に飼い慣らされてるなぁ、私。でもユーリさんなら、嫌じゃない。
ユーリさんの住んでいるマンションには何回か行って泊まったことがある。高給取りめ……、なかなかの一等地で豪華なマンションでしたよ。
部屋は私の部屋より広いし。会社は近いし。






「……今日は飲みたい気分です」

「珍しいですね。普段飲まないのでは?」

「セクハラ部長に絡まれたストレスはお酒でも飲まなきゃ発散出来ませんそれに……」

「それに?」

「……いえ、何でもありません」

「?」




セクハラ部長へのストレスじゃない。お酒を飲みたい理由が別にある。
今日は定時で帰れるからスーパーに寄ってお酒買おう。




「僕も、君と飲みたいです」

「ユーリさんの酔った姿、きっと色っぽいだろうなぁ……」



ほろ酔いでも顔が紅潮して、私を煽る彼の姿を想像してみると破壊力が半端ない……。
ああでも、飲んでもなかなか酔わないウワバミってのもいいかもしれない。

想像でこんなにも破壊力があると、実際はこれ以上に凄いだろうな。





「色っぽいのは、マヤも同じでしょう?」

「そうですか?」

「君は普段から色っぽいのに、お酒を飲んで更に色気が増したら僕の理性が簡単に吹き飛びますよ。そしたら前戯も無しにヤりますね」

「もう……」









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