01/30の日記
08:16
未来なんて見たくない。(スバアク風味
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「おっこれって美術品じゃねぇのか?」
アクロはひょい、とそっちに向かって走っていく。
「こら、お前いきなり走るな」
「なぁなぁ、これなんだ?」
アクロは大理石の上に飾ってある不思議な柄の変な皿を指差す。
「運が良ければ自分の未来が見える皿ってかいてあるな。」
「すっげぇ!」
予定表クロは勢いよく、皿をのぞきこむ。
「…………なんにも見えねぇぞ…。」
「じゃあ運が悪かったんだな。」
「スバルも見てみろっ〜!」
アクロに言われ、スバルはしぶしぶと皿を覗く。
すると、水のようなものが見えてきて、それがはっきりしてくると、黒と白のしましまが見えた。よく見ると大きくなったスバルのようだった。
背は高くなり、今よりもキリッとしているようだが、たいしてかわりはない。
「はぁ、」
スバルは予想どおりの自分の未来に安堵と面白くなさを感じると、皿から顔をはなそうとする。
すると、突っ立っていた未来の自分に、二つのトンガリのある頭の人物が駆け寄る。
一目見て、アクロだと分かった。
何年後か知らないがおれはまだこいつに絡まれているのかと、スバルは二回目のため息をついた。
すると、未来のスバル達の会話が聞こえきた。
『スバル、今夜の晩ごはん何がいい?』
『そうだな、この間のがよかったな。』
『この間のって?グラタン?ハンバーグか?』
『まぁ、お前の作るのなら、どれも美味しいがな。』
『も〜スバルったら、デコに教わって頑張って作ってるからな。』
「…………」
スバルは絶句した。
未来が…まさか…
「どうしたんだよ?未来見えたのか?」
「………」
まさか…
お前が俺の嫁だったんて言えるわけ…ない。
スバルは、未来など、どうか来なければいいと思ったが、
あのときのアクロを見る未来の自分の優しい目は…
今の自分にはないものだと…気づいていた。
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