いろいろパラレル2

□お月様にお願い2
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パラレルにあります、『お月様にお願い』の続編です。

お月様にお願い2〜最大のライバルにゃ!!〜
 

(にゃにゃ!?にゃにやつ!?)

 突然現れたのは、金髪金目の人間。アルに似てる色けど、アルより透き通った金色の、人。
「兄さん…!」
(ニイサン?折角、アルがお膝の上でなでなでしてくれてたのにー!誰だ!?ニイサンって!)

(にぎゃー!アルが…!アルが…!!ニイサンをだだだだ抱っこしてる〜!!)
「ただいま、アル…」
 俺を放って、立ち上がるアル。
ニイサンが笑うと、アルも嬉しいそうで、二人はぎゅっと抱き合ったまま動かない。
(アルー!)
 爪でアルのズボンを引っ掻いてやる!と、がりがりしてもアルはそのままニイサンを抱きしめていて、ちっとも見てくれない。
「長かったね…半年」
「うん…」
 半年?誰なの、そいつ。
 ふぎゃっ!なななななんでー!?なんでちゅーしてるのー!?
「は、あっ…アル…。急ぎすぎ」
「ゴメン。兄さんが帰ってきてくれて、すっごく嬉しい…!外国研修、ご苦労様」
「うん。アリガト…」
 
 にゃんだにゃんだ!?このあったかい空気は!アル!オレにもちゅーして!ねえ、アル!
「ん…なんだ?」
「あ、兄さんが研修に行ってすぐに小猫を拾ったんだ。金髪金目で、兄さんそっくりだったから、エドって名前つけたの」
「なっ!なんでオレの名前なんだよっ!」
「あはは、ごめん。だって、寂しかったんだもん」
 
 アルがふわりと抱っこしてくれた。
 わ〜い、アルだ〜!
「にゃお…」
 アルのほっぺにすりすりすると、気持ちいいの。
 なのに、きゅうにアルと離れ離れになって、にゃんだ!?と思ったら、ニイサンが俺を両手で抱き上げてる。
「へ〜でも、キレイな猫だな」
「でしょ?兄さんそっくりでカワイイんだよ〜」
「似てねえだろ!」
にてにゃい!!
俺は、シャキーン!と爪を出して、しゃっとニイサンを引っ掻いてやる。
「うわ、イテ…」
「に、兄さん!大丈夫!?」
 へへ〜んだ。ザマミロ〜
「こら!エドっ!ダメじゃないか!そんなことしたら!」

 ふえ…?どうして?
アルが怒った…。
初めて怒った…。

「もう、そんなことすると、ダイスキなお菓子あげないよっ!?」
 えええ!?
 アルが…アルがああ〜…

 オレのことなんて、もうスキじゃないんだ…。
 いえでしてやるー!!
 わああ〜ん!!



「大丈夫?兄さん」
「ああ、平気」
「頬に傷ができちゃったね」
「まったく、あれで俺に似てるっていうんだから、おまえの目は節穴だぞ」
「え〜似てるよ〜キラキラしてるとことか、賢いとことか。ミルク嫌いなとことか」
「え〜」
 アルフォンスが、そっとエドワードの頬に消毒をすると、エドワードは顔をしかめた。
「絆創膏はっておこうね」
「うん」
「ご飯作ろうか」
「…うん」
 エドワードがふと視線を下げたので、アルフォンスは「どうしたの」と尋ねると、彼はおずっと上目でアルフォンスを見た。
「…ご飯よりもっと抱きしめて欲しいんだけど…」
「兄さん…!半年たったら、すっごく甘えんぼになったんだね!嬉しい!」
「うわあっ!」
 きゅうに、がばっと覆いかぶさられて、エドワードはソファに倒れこんだ。
「も〜カワイイ〜〜」
 ぎゅ〜っと抱きしめられて、エドワードも抱きしめ返す。
「…アルだよな」
「うん。アルフォンスだよ。兄さんだよね」
「うん――」
 身体の骨が折れてしまうんじゃないか、というほどの勢いで抱きしめられて、エドワードはふっと笑みを浮かべた。
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