P a r a l l e l

□気持ち。
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触れたい。
唯そう思ったんだ―――…





気持ち。






「じゃあ授業始めるってばょ。」


今日も俺は先生の虜。
ふわふわの金髪
紅く潤んだ唇
透き通るような蒼い瞳
白雪のような肌
綺麗な指先…
先生にとって俺は唯の生徒でしかないんだろう。
でも俺は先生に焦がれてる。
渦槙…成斗先生。

何時からだったろう?
俺が目で追うようになったのは…
気が付いたら追っていた。
だから好きになった動機も分からない。
多分、一目惚れしてたんだと思う。
知らない内に。


「My name is Tom and cat.I have a major ploblem whose name Felina.Care of their pets.She has very strange ideas about the relationship between people and pets. Felina treats me―――…」


先生が音読する英文に聞き入る。
俺達の為に解り易くはきはきとした明るい口調。
俺はノートを録りながらチラチラと先生の事を見る。
机の間を廻り歩く先生。
勿論隣に来た時は心臓バクバクで
それだけで手に汗が滲んで
本当どうしようも無い位好きなんだって事を思い知らされる。
手に入らない事は分かっているのに。
叶わない恋だって分かっているのに。
それでも好きなんだから仕方無い。
莫迦な自分。

教卓に戻った先生と目が合う。
するとにこりと笑みを浮かべて先程の英文の説明を始めた。


ドキン、ドキン…


心臓が波打つ。
一体どうしたものか。
自分自身にため息が出る。
たったあれだけで嬉しくなるなんて。
完全にやられている。
只々先生の事を思って
一人浮かれてドキドキして
莫迦みたいに…

触れたい。
その髪に
肌に
唇に…
先生の事を知りたい。
そんな風に思ってるのもやっぱり俺だけで
なぁ、先生は俺の事どう思ってる?
募り募った思いが溢れ出る。
伝えたい。
この気持ちを。
もう見てるだけじゃ嫌なんだ。





 
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