U n d e r

□裏☆オフィスウォーカー
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あれから何ヵ月も経った頃、おめでたく付き合い始めた二人は
社内全体に公認の中上手くやっていた。

仕事中も、終わった後も誰が見ても仲の良い二人なのだが。
問題が一つ。
二人はキスで止まっている。
つまり未だなのだ。
それを一番気にしているのは彼氏方鎖介。
付き合いだして何ヵ月も経っていると言うのに、何の音沙汰も無いとなると少々不安になってみたりもする。






裏☆オフィスウォーカー






「鎖介君、未だ成斗としてないの?」

「煩せぇ桜。」


成斗の姉的存在である桜にいちいち突っ込まれるのも気に触る。
自分が一番気にしている事なのに。


「お前もいちいち気にしてないで、さっさと相手見付けたらどうだ?」

「あら、失礼ねー!私だってモテない訳じゃないのょ?」

「ふん、良く言うぜ。」

「だったら私に彼氏が出来るのと、貴方達が事を進めるのどっちが早いか勝負ょ!」

「はぁ?!」

「もぅ決めたゎ!私絶対に負けないんだから!!」


一度決めた事は直ぐ実行。
桜のモットーだ。
とは言え、たかがこんな事で勝負になってしまうとは…。
それも


「今月の給料を掛けて勝負だからね!負けたら半分寄越しなさい!!」

「Σはぁあ?!ι」


どうやら後に引けないようだ。
給料半分など決して安いものではない。
桜の爆弾発言に苦悩していると、そんな事等何も知らない成斗が俺の元にやって来た。


「鎖介先輩、仕事終わったんで帰りましょうってばょ?」


こうなったら仕方が無い。
これぞまさに先手必勝の勝負だ。
今日中にでもやるしかない。


「クソ桜!俺は決めたぞ!!後で泣くのはお前だからな!!」


俺は成斗の手を取って桜に捨て台詞を吐くと事務所から出た。
場所は自宅。
今日こそ成斗を抱いてみせる。
そう意気込むと、俺は歩みを早めた。


「成斗、今夜は俺の家に泊まっていけ。」

「良いんですか先輩?」

「あぁ。」


嬉しそうに笑みを浮かべる成斗に少し悪いと思うが…
変えられない決心の方が強い。
と言うかこの勝負絶対に負ける訳にいかない。





 
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