U n d e r

□風
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何時かお前は言っていた。

「俺は生まれ変わったら風になりたい。だからもし俺が居ない時に風が吹いたら俺だと思って…。」


って……













それは月の明るい夜…
お前は「直ぐ帰ってくるょ」と言って闇の中を走って行った。






「サスケ…絶対絶対帰ってきてってばょ?俺ってばずっと待ってるから。」

「あぁ……必ず帰ってくる。」


そしてお前は俺をいつもよりきつく抱き締めて優しくキスをしてくれて……。
そして任務に行った。














お前が「必ず帰って来る」って言ったから俺ってばずっと待ってたんだ。
けど…
お前は帰ってこなくて…。













翌日、カカシ先生が来た。






息を切らして…






多分、走って来たんだなって分かった。






そして
恐れていた事が口にされた。















「サスケが……死んだ。」














「…う、そ…?」















聞き間違いだって思った。
けどカカシ先生は何も
言わなくて
気が付いたら俺ってば走ってた。
何処かにお前が…
居るんじゃないかって思って










何度もお前の事を呼んでみた。
けど…
現実は……










サスケはもうここに居ない。










悲しくてずっと泣いてた。
そしたら風が吹いて…
頬を撫でる感覚が何と無くお前に似ていた。


「…サスケ?サスケなのかってばょ!?」


そう訊くと風が強くなって…


俺ってば思い出したんだ。
お前が居ない時は風がお前だって事。






だからやっぱりこれは














俺の大好きな
サスケ















あれから1年…
相変わらず俺ってば
サスケが好きだってばょ。


慰霊碑に刻まれた名前。
いつも指でなぞって
お前の事を思い出す。

たまに泣きそうになるけど

風が吹くから
「俺はここに居るょ」
って
言ってくれるから
俺は今日も前を向いていられるんだ。






サスケ…
愛してるってばょ。




―end――…





 
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