U n d e r

□伝心
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『ナルト……。俺、本当は―――…』


終末の谷で聞いた、サスケの最後の言葉。
この後、サスケが何て言おうとしたのかは分からないけど……
でも、何か大切な事だと思うんだってばょ。






伝心
[6666hit☆小説]






「こら、ナルトー!何時までも落ち込んでるんじゃ無いわょ!!」


最近、サクラちゃんは何時も俺にこう言って来る。
まぁ、心配してくれてるのは分かるけど……
落ち込まずには居られ無いし。
それも彼奴の所為だし。

彼奴って言うのは『うちはサスケ』の事。
丁度一週間前に会ったんだってばょ。
でも結局また連れ戻せ無くて。
だから落ち込んでるのもあるけど……
本当は、また聞けなかったから。
サスケのあの時言おうとした言葉。
そんな事で落ち込んでる俺もどうかと思うけど。


「ナルト、気晴らしに少し散歩でもして来たらどうだ?宿は此所にするから。」

「ヤマト隊長……。」


流石のヤマト隊長も気を使ってくれてるらしい。
確かに何時までも落ち込んでる暇も無い。
此処は気持ちを整え直した方が良いのかも知れ無い。

「うん、ありがとうってばょ。」


俺は素直にその場を離れる事にした。















あれから何れくらい時間が流れたのか、もう辺りは暗闇に包まれている。
森の中を歩いている途中、綺麗な湖があったから其処で俺はぼーっとしてたけど。
サスケの事で頭が一杯で気持ちを整理する余裕なんて無い。


「何でサスケの事ばかり考えるんだってばょ?」


自分に問掛けても答えが見付かる訳も無く、答えがあると言うのなら教えて貰いたい。

俺は溜息を吐いて立ち上がった。
すると、それと殆んど同時に後ろの葉っぱがガサリと音を発てて


「ナルト……?」


声が聞こえた。
何処か優しい、俺の大好きなサスケの声―――…


「サ…スケ……?」


振り向くと其所にはやっぱりサスケが居た。


「お前、何で…こんな所に居んだょ?」


驚きを隠せない表情でサスケはたまに息を切らしながら話している。


「何でって…、お前こそ何で此所に居るんだってばょ?」

「ぅわっ!莫迦!!声でけぇんだょ!!ι」

「Σ?ι」


何故か慌てるサスケに俺は口を抑えられた。





 
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