U n d e r

□心から。
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心から。




お前に伝えたい事があるんだ―――…


想いは溢れてとても追い付かないけれど
ちゃんと言葉にしてお前に伝えたい。
優しくなくてごめん。
素直になろうとする程、照れくさくなって意地悪な事ばかり言ってしまったな。
だけど誤解しないで。
全て愛情の裏返しなんだ。
言い訳にしかならないけど、唯お前の気を引きたかっただけなんだ。
俺の言葉に怒りながらでも返してくれる些細なやり取りさえも、俺にとっては大切な時間だったんだ。


これは天が下した罰だろうか……。


お前は今、俺と一緒に居るのに何故大粒の涙を流しているのだろう?
またお前を怒らせる様な事言っただろうか。
泣かないでくれ。
お前には笑っていて欲しいんだ。
お前の笑顔を見るだけで嬉しいから。
俺にはお前しか見えないょ。

心の中でなら気障な台詞を幾らでも言えるのに
可笑しいな。
いざ言葉にしようとすると、お前を怒らせるものに擦り変わってしまう。
こんな事ならもっとお前に素直な気持ちを伝えておけば良かった。
傷付けてごめん。
お前を試す様な事ばかり言ってごめん。
唯、不安だったんだ。
お前を誰かに取られはしないかと俺は唯必死だったんだ。

泣かないで―――…
心の中で何万回も言った「愛してる」を今云うから…。
だから泣かないでくれないか?
俺が笑ったらお前は笑ってくれる?
俺には未だお前の涙を拭う権利はあるか?
俺は心からお前の幸せを願っている。
出来る事なら俺がお前を幸せにしたかった。

お前に伝えたい事が未だ沢山あるんだ。
一度しか云ってない。
もっともっと言葉にしたかった。
お前に伝えたい。
「心から愛してる」と伝えたい。
今だけ時間は止まってはくれないだろうか。
寒さを感じないのは頬に落ちたお前の涙が暖かい所為だろう。
一瞬で良いから時間が欲しい。
お前に伝えたい事があるんだ。
人を好きになって涙を零したのはお前が初めてなんだ。
だからお前に…。
見上げた夜空が滲む。
涙で滲んだ星が眩しくてお前がよく見えない。
お願いだから動いてくれょ身体。
伝えたいんだ。
目、閉じんなょ。


「やだ、起きてってば!置いて、い、かな、いっ―――…」


何?
聞こえねぇよ。
何て言ったんだ…?
俺は唯…
ただ…


「幸せにしてやれなくてごめん…な?」


俺は幸せだった。




―end――…





 
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