U n d e r

□君の事が。
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君の事が。




俺は今スッゲースッゲー好きな奴が居る。
顔合わせの時、一目見てから大好きになった。
だけど俺の好きな奴は俺と同じ男でしかも部下、子供だ。
絶対にこの恋は叶わないって事は分かってる。
それでも俺はお前が好きなんだってばょ、サスケ…。






今日の任務も下忍に合わせたDランクの簡単な草抜きだった。
そんな雑用任務に関わらず、何の文句一つ言わないこの子達に俺の顔は綻んだ。
俺が子供だった頃は上司にもっと凄い任務がしたいって凄ぇ文句を言いまくってたのを覚えている。
そう考えるとこの子達は偉いなぁって思う。


「今日もお疲れ様。明日もDランクだけど頑張ろうってばね。」


ニコリと笑って子供達…俺の部下達を見る。
明るく元気な桃色の少女、春野サクラちゃん。
何処か抜けてるけどしっかりしたはたけカカシ。
今年アカデミーを主席で卒業したクールな天才肌……俺の好きな人、うちはサスケ。
また無意識に目で追っていた事に気付いて慌てて目を反らした。


「先生、また明日ね。」

「おぅ、気ぃ付けて帰れってばょ。」

「じゃーね、先生。」

「ん、またな。」


サクラちゃんが帰って、その後をカカシが帰って行く。
残ったサスケは無言で俺の事を見ていた。


「サスケもまた明日な。」

「………。」


無言の儘のサスケにそう言うと俺は任務報告書を出す為に火影の屋敷に向かって歩きだした。
が、数歩歩いた処で手を掴まれる。
何事かと後ろを振り向くとサスケが俺をじっと見ていた。


「どうしたってばょ、サスケ?」

「…ちょっと来い。」


そう言って俺の手を引っ張りながら歩き出したサスケに俺は疑問符で頭の中が一杯になった。
取り敢えず前を歩くサスケの後ろを手を曳かれながらついて行く。
暫く無言の儘歩いていると人気の無い路地裏へと連れ込まれた。
其所でやっと手を放してサスケは俺の方を向いた。
サスケの表情からは何も予測出来ない。
何か相談事とかだろうか?


「サスケ、どうしたんだってばょ?」


首を傾げる俺にサスケはフンと鼻で笑った。
そして俺より遥かに低い身長で腕と壁の間に閉じ込める。


「何……?」

「お前さー、何時も俺の事見てるょな。」

「なっ!///」


言葉が出なかった。





 
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