U n d e r

□時。
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時。
[78000hit☆小説]




ずっと昔、幼稚園の頃から俺と鎖介は仲良し。
俺は何時も苛められっ子だった鎖介から、毛虫とかを持って鎖介を追い掛けて居る連中を追い払って助けて居た。
そんな苛められっ子だった鎖介は何時の間にか何でも出来るスポーツ万能で知的、おまけに男の俺からでも分かる位格好良くて優しい少年になって、当然女の子にもモテモテ。
鎖介とは正反対の落ちこぼれな俺。
もう鎖介の近くには居られないと思って、俺はレベルが滅茶苦茶低い私立の男子校に受験した。
鎖介に訊くと、鎖介はレベルの無茶苦茶高い県立を受けると言って居たから、此で良かったと思った。
それなのに中学を卒業して高校の入学式の日、鎖介は俺と同じ制服を着て俺ん家の前で自転車に乗って待って居た。
驚いた俺は鎖介から真実を訊いた。
鎖介は俺がこの男子校に受験する事を親から知って、急遽志望校を変えて同じ私立の男子校に受験したらしい。
理由を訊いても鎖介は直ぐには応えてくれず、「入学式が終わってから」と言われた。
鎖介は俺と同じ学科を受験して居て当然クラスは同じ。
その上五十音順の席で、俺の真後ろに鎖介が居て。
どうしても我慢が出来なくなってしまって俺は鎖介に理由を問い掛けた。


「どうして、俺と同じ此所に?お前、滅茶苦茶偉い県立受けるって言ってたのに…。」

「だから、お前が此所に受験するって聞いたからだって朝も言っただろ?」

「そうじゃなくて、何で俺と同じ高校に志望校を変えたんだってばょ?勿体無いじゃん。」

「勿体無くねーょ…。」


そう言って鎖介は俺に口付けると、凄く優しい笑みを浮かべた。


「お前が好きなんだから、お前と同じ学校が良かった。違う学校だと滅多に会えねぇし、もしお前に彼女でも出来たら俺は死んじまう。ずっと好きだったんだ、成斗の事。」


凄ぇ嬉しくて、俺は此所が教室で周りに男子生徒が居る事も忘れ、鎖介に抱き付いて泣いた。
そんな訳で俺達は入学初日から校内一有名な同性カップルになってしまった。





 
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