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□聖夜☆オフィスウォーカー
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聖夜☆オフィスウォーカー
[クリスマス☆小説]




今日は鎖介先輩と付き合い始めて初めてのクリスマスイブ。
数日前から一緒にイブを迎える事を約束して、今朝もちゃんと食べに行く時間を確認したから
バッチリ先輩と素敵なクリスマスを過ごせると思って居た。

でも現実はそう甘くは無かった。
12月24日なんて恋人達は当たり前の様に一緒に過ごすモノ。
当然鹿丸は衣乃と、桜ちゃんは哉と、牙は何時の間に付き合い始めたのか妃奈妥ちゃんと過ごす予定を入れて居た。
会社はクリスマスイブなんてお構い無しに仕事がある。
当然残業もある。
其所で出て来たのはお約束の『残業決めジャンケン』だった。
俺はこのじゃんけんに7回中4連敗。
先月は牙が負けて御愁傷様って感じだったけど、俺は半分以上も負けてしまっては鎖介先輩に迷惑を掛けて居る。
そして今日も運命の残業決めジャンケンに
負けた。


「成斗、ちゃんと6時迄に仕事片付けておけょ?」

「勿論ですってば!」


じゃんけんに負けて残業をするなんてまさか言える訳も無く。
必死で資料を作成したけどやっぱり時間に間に合わなかった。


「おい…。」

「……はい。ι」

「お前また下らないじゃんけんに負けたな?」

「すすすみません!ι」

「あれ程もう遣るなと言ったろうがウスラトンカチ!!#」

「ご、ごめんなさいってばょ〜ッ!!ι」


8時を過ぎても仕事を終えて居ない俺にデコピンしながら鎖介先輩は溜息を吐いた。
牙の大量の資料やら冊子やらを机から半分程取って鎖介先輩が俺の隣で仕事を手伝う。
鎖介先輩は俺が資料一枚を完成させる頃にはもう3枚目をキーボードで打ち込んで居るから、仕事が終わるのは速い。

暫く二人だけ事務所に残って仕事をする。
俺から取った資料を全部終わらせた鎖介先輩は携帯を見て溜息を吐きながら誰かに電話して居た。


「もしもし?先日予約を入れた内波です。申し訳ありませんが予約をキャンセルさせて頂きたいのですが―――…」


予約って、もしかして食べに行く所の?
鎖介先輩を見て俺は机の上に置いてある携帯の時刻を見た。





 
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