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□風質変化
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風質変化




ぽかぽかと暖かい太陽が照る昼時、シカマルは子供の頃から愛用している自分専用のベンチで眠っていた。
面倒臭い中忍試験も終わり、やっとゆっくりと眠れる時間が出来たのだ。


「シカマル。」


頭上で聞き馴れた声が響いた。
けれど眠気の方が圧倒的に強く、再び眠ろうとする。


「おいシカマル起きろ。」


そう聞こえたと思った拍子にどすりと腹の上に重たいモノが乗し掛かる。


「うげ。ι」


此には流石に目を覚ましたシカマルは即座に自分の腹の上を見た。
やはり大きな扇子が乗っている。


「何だょテマリ…。」

「呼んで起きないお前が悪い。」


そう言う彼女に溜息が溢れて来る。
昼寝位ゆっくりさせてくれても良いではないか。
けれど少々不機嫌そうに見つめてくる彼女にはもうお手上げ状態で、シカマルは仕方なく起き上がった。


「で、何?」

「例の中忍試験時の書類を持って来た。」


そう言って差し出して来る少し大きめの茶封筒を受け取った。
紐を解いて中身を確認する。
それは言われた通りついこの間行われた中忍試験に関しての書類だった。
中身を見た後また封をする。


「サンキュ…後で届けておくぜ。」


欠伸をしながらテマリに言う。
そしてまたベンチにごろりと横になった。


「お前また寝るつもりか?」

「あぁ…天気は良いし、昼寝には持ってこいの気温だしな。」

「呆れた…。」


溜息を吐くテマリに視線を送る。
やれやれとでも言う様に頭を抱える姿に笑いが込み上げて来る。
でも此処で笑ったら面倒臭い事になりそうなので敢えて耐える事にした。
シカマルは瞼を閉じた。


「じゃアタシはもう帰るからな。ちゃんと書類書いて火影様に届けておくんだぞ?」

「へーい。」


テマリの気配が消えたと同時に風が変わった。


そう言えばあの人風使いだっけ?


ふと頭の中にテマリの事が浮かぶ。


まぁどうでも良いけど。


シカマルは再び深い眠りについた。




―end――…





 
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