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□君への想い
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君への想い




お前が誰を好きかなんて知ってるょ。






今日の任務を終えた俺は、修行をしようと演習場に足を運んだ。
最近此所へ来るのが多くなったのは、きっと気の所為何かじゃない。
君が居る事を知ってるからだ、きっと。






やっぱり居た君は、何時もの様に的当ての修行をしていた。
昔と比べると大分上達したみたいだ。
俺は偶然を装って君の視界に入った。


「……よう。」

「あ…キバ君……。」


俺の前でオドオドと困っているのは何時もの事。
俺から目線を反らして…


あ〜ぁ。
そうとう嫌われてんのな、俺。笑


まぁ、もし嫌われて無くても俺は恋愛の対象外だょな。
だってヒナタ、お前はあの明るい金髪が好きなんだ。
悔しいけど認めなければいけない。
人が誰を好きになるかなんて自由だから。
仕方無いんだ。


「命中率……良くなったょな。スゲェょ。」

「あ、ありがとう。でも…まだまだキバ君には敵わないょ。」

「いや…ヒナタのが上手いょ。」


ぎこちなくも会話を続ける。
何でも良いから、君と話していたくて。
けど君からすればただの迷惑。
悪ぃな、本当…。






「「………。」」


お互い会話する内容が無くて黙り込む。
相変わらず君は目線を斜め下に向けた儘で。
俺の目線は真っ直ぐに君を。


なぁ、もし俺が彼奴だったら好きになってくれる?

なんて。
なる訳無いっつーの。
多分何も変わりはしない。君は彼奴を好きになるんだろ?
俺なんか…
きっと眼にも入らない。


「じゃあ…、俺帰るょ。」

気まずい雰囲気の中、俺は下に目線を向けて手を振ると、今にも消え入りそうな声で君は「またね。」と言葉を返してくれた。


またね……か。
此だけで嬉しくなるなんて、そうとうまいってんな。


「あぁ、またな。」


俺はそう言って君に背を向けた。


「キバ君!!」


背後から君の声が聞こえたけど、俺は振り向かずに君から離れた。
いや、正確には離れようとしたみたいだ。
後ろから俺の服を掴んで止められた。


「何だょ…ヒナタ?」

「キバ君…、もう少しだけ……一緒に居て。///」

「え?」

「キバ君が見てくれてると嬉しい……から。///」


俺と一緒だと嬉しい?
本当に…?
お前は彼奴の事が好きなんだろ?


「ヒナタ、お前はナルトが―――…」

「違う…、違うの。私が好きなのは―――…」


君は真っ直ぐに俺を見つめて俺の服を引っ張った。
まるで、俺が好きとでも言っている様に。


「ヒナタ……。」


俺は振り向くと目の前の君をそっと……
抱き締めた。




―end――…





 
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