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□午後の一時
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午後の一時




今日も任務を終えて子供達を帰すと、一人俺は報告書を片手に受け付け所へ向かう。
此は何時もの事。
俺にとっては日課の様な事だった。


「あれ?」


ひょっこりと部屋へ顔を出せば、何時もの受け付け所にあの恐いおばちゃんでなくて、鼻に傷を負った中年の男が居た。
その顔は、何所かで見た事のあるような、無いような……


「あ、お疲れ様です。 カカシ先生。」


俺が考えている間に、その人は笑みを浮かべて名前を呼んだ。


あぁ、そうか。
この人はナルト達の先生だった人だ。
中忍試験の時、生徒達の事を考えて俺達上忍に向かって反論する姿は、本当に良い先生だろうなって思ったっけ?


俺はペコリと小さく頭を下げて報告書を差し出した。
とても真面目そうな彼は、丁寧にチェックを済ませていく。


「はい、チェック完了です。 ところで、ナルト達はどうしてますか?」


突然話掛けられてドキリとする。
にこにこ、とても穏やかな笑みを浮かべる人だ。


「えぇ、まぁ…ちゃんと頑張っていますょ。 たまにサスケと喧嘩してますがね。笑」

「あはは、あの二人はアカデミーに居た頃からそうだったんですょ。笑」

「へぇ、どんな感じだったんです?」


小さな種が、花を咲かせていく。
話してみると、本当に良い人だと言う事が身に染みて来る。
まともな会話をしたのは初めてだけれど、話し易く気が効く人だ。


「あ、じゃあもぅそろそろ次の方が来る時間ですので……。」

「はい、受け付け頑張って下さいね。」


小さく手を振って受け付け所を出る。
思ったよりとても気が合いそうで良い人だったなぁ。
また話せると良いんだけど……


「あ、名前訊くの忘れた。」


暫く経ってから肝心な事を思い出す。

まぁ、良いか。
次にあの人と話せる時で。

俺は誰にも分からない笑みを浮かべて、屋根の上を軽足で渡って行った。




―end――…





 
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