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□俺だけに其の微笑みを。
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俺だけに其の微笑みを。




今日、夕方ナルトに会った。






久しぶりに






愛しい人に…















俺がずっと見ていると彼奴が気付いて目を反らされた。






まぁ、仕方無い事だけど…





俺があんな事言ったからで






だから…






そう思うと自己嫌悪が増して来る。















「もっと笑ってょ、俺にだけ…。」

「は?」






ある夏の夜、
俺はナルトと暗部の仲間から離れた所に居た。






初めはこんな事言うつもり無かったんだけど。






お前が笑うから






俺だけに笑ってくれたから






だから無意識に……















今考えたら自業自得ってやつ?






でもまだ諦められねぇし…






未練がましいよな。













そんな事考えてたら何時の間にか目の前にお前が居て






「……さっき見てた?」






気まずそうに俯き、聞き取るのがやっとな位小さな声で呟いて















俺は






「別に。」
としか言え無かった。















本当は見てたけど。






そんな事言ったら






「未練有ります。」
って言ってる様なもんだし





悔しいからな。















「そっか。御免ってばょ、変な事聞いて。」






お前は顔を上げて哀しそうに微笑んできて…






莫迦、ウスラトンカチそんな顔すんじゃねぇよ。






なんて心の中で呟いてみる。






ウスラトンカチは俺じゃん。






莫迦か……






本当莫迦だな、俺。















何と無く気まずい。






俺の所為だけど。






「「………」」

「…サスケ、俺…」

「何だょ?」






気まずい…






最悪。






「好き。」






あぁ、
好きだょ。





…―――え?






「サスケ、好き。俺っ……好きなんだってばょ。」

「は?」

「サスケが好きなんだってばょ。」






ウソ……だろ?






「マジかょ?」






マジで言ってんの?






「うん。好き、だってばょ。」














お前が泣きながらそんな事言うから…






俺はどうすれば良いのか分かんねぇだろ、
ウスラトンカチ。






でも、






無意識にお前の事抱き締めてた。






「…俺、サスケにもっと笑顔見せるから。好きだから…。 だからね、サスケも笑ってってばょ。」

「あぁ。」















あれからどれだけの月日が流れただろう?






「サスケ!」






そう叫び声が聞こえたかと思うと勢い良く俺の腕に巻き付いて来たお前。






その様子が凄く愛しく見えて






思わず笑みが溢れた。






「あ、サスケが笑った。」

「笑ってねぇょ、ウスラトンカチ。」

「笑ったょ、ウスラトンカチ。」






俺の声を真似しながら面白そうに俺に笑う。






「似てねー。」

「良いの。」






どうかこれからも






俺だけに其の微笑みを。




―end――…





 
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