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□月明かり
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月明かり
[3000hit☆小説]
深夜、まあるく和かい満月の月明かりの下に二人の暗部の姿。
任務も終わり、二人は里へ帰る途中だった。
「狼(ロウ)、今日も楽勝だったな。」
「ふん、ウスラトンカチ。任務中トラップに掛りかけた癖に…。本当ドベ並だょな、空(ソラ)って。笑」
暗部では個人情報は隠す事になっている為、お互い本当の事は知らない。
狼は『うちはサスケ』で空が『うずまきナルト』という事は自分自身だけの秘密……
「ねぇ、狼……『うちはサスケ』って知ってる?」
突然向けられた空からの質問。
俺は自分の名前を出された事に驚いて空に視線を向けた。
「あ?あぁ、知ってるけど……。ソイツがどうしたんだょ?」
つか、俺なんだけどな。笑
自分の話を持ち込まれると正直気になる。
俺は空を覗き込む様に顔を近付けた。
「で、サスケが何だょ?」
「サスケって『うずまきナルト』と付き合ってるらしいけどさ、最近任務が忙しいからって相手にしてないんだって。」
「………。」
何で知ってんだょ?ι
確かに任務が忙しくてナルトと一緒にいられないけど。
「ナルトの事本当に好きなのかなぁ?」
空の言葉に少しムッとして俺は空の肩を掴んで怒鳴り付ける様に
「好きに決まってるだろ!!頭の中は常にナルトだ!今だって!!」
………。
って何言ってんだょ、俺〜っ!!ι
空に『俺がサスケ』って言ってる様なモンじゃん!
バカヤロー!!ι
と心の中で絶叫。
俺の勢いに驚いたのか空は黙った儘だった。
「…ってサスケなら言うと思うぜ?ι」
とりあえず疑われない様に付け足してみる。
しかし余り意味は無かったらしい。
「……狼って、さ…。サスケに似てるょな。」
「そうか?ι」
「うん、さっきのいきなり肩掴んで自分の思ってる事言う癖とかサスケみたい。笑」
癖……。ι
ナルトにたまにやるあの癖が出たって言うのか?
……って、何で空が知って…?
「お前何でサスケがそういう事するの知ってんだょ……。」
「えっ…と、ナルトに聞いたんだってばょ。ι」
「だってばょ?!」
俺がそう言うと空は慌てて口を抑えているけど、あの特徴的な口癖…。
俺が気付かない訳が無い。
「ナルト……か?」
「ち、違うってばょ!!…って、あ。ι」
やっぱりナルトか…?
俺は空のお面を外そうと手を掛けた。