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□巻物事件
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巻物事件




俺は今ウソをついている。

もし此がナルトにバレたら……
と思うと恐ろしい。

ナルトは莫迦で激鈍でどうしようも無く可愛い奴だが……

キレると恐い。
今迄何度死にかけた事か……。

いや、そんな事はどうでも良いんだ。
兎に角此をどうにかしなければ―――…















それは約10分前の出来事。
俺はナルトに頼まれた『青い巻物』を探し終えると、何時もの様に珈琲を片手に小説を読書していた。
その小説はイチャパラシリーズの20禁版。(笑

まぁ、此がナルトにバレてもヤバイのだが。
実は……
俺の不注意で珈琲をナルトの巻物に溢してしまった。

こんな事ではナルトは怒らないだろうと思うかも知れ無いが、此で15回目だ。
この前ので半殺しにされたのに……
もしバレたらどうなるんだ、俺。ι






「正直に謝るか……?」


態々自分から殺されに行くのか?ι


「火遁で燃やすとか……。」


それこそ殺されるだろう。ι


「いっそ珈琲で色を変えるか……!!」


莫迦か、俺は?ι


「じゃあ時間を戻せば良いじゃないか!!」


ついに現実逃避……。ι


「どうすれば良いんだ……?」


俺が一人で苦闘していると玄関扉の開く音が聞こえた。
そして


「ただいまだってばょ〜♪」


何処か上機嫌のナルトの声……。
「帰って来たのかナルト?!こういう時に限って買い物早過ぎだろ?!ι」
とはまさか言え無い。


「ぉ、…おかえりナルト。ι」

「うん♪サスケー!!」


そう言うナルトはやっぱり可愛い。


「サスケ、巻物あったってばょ?」


Σドキッ!!ι


「ま、未だ見付かって無いんだ……。ι」


「今、後ろ手に持ってるゼ。珈琲付きだぜ!!イェーイ☆!!」
なんて死んでも言えねぇ……!!ι


「そっか……。アレ先輩に借りたヤツだから早く見付けなきゃってばょ。ι」

「借りた?!ι」


思わず声が上擦ってしまった。
ヤバイ、バレるか……?ι


「うん、どうしようってばょ〜。ι」


いや、大丈夫か?ι
俺は後ろ手に隠している巻物を握り締めた。


「あれ?サスケー、手に何持ってんの?」


Σドッキ―――ン!!ι


見付かったか?!ι


「サースーケー?」


そう言ってナルトは俺の後ろに周り込んで来た。
俺もそれに合わせて方向転換する。


「ねぇ、サスケ。正直に言えば良いんだってばょ。巻物は?笑」


笑顔だが目は笑って無いぞナルト。ι
こんなナルトに正直に言ったら間違い無く瞬殺だな……。ι


「知らねぇよ。笑」


取り敢えず苦笑い。


「サスケ、俺何も怒ら無いってばょ?」

「……本当に怒ら無いんだな?ι」

「うん!!多分v」


多分かょ?!ι
ま、まぁ…正直に言うとするぜ。


「あ、あのな、実は珈琲を溢しちまってだな……。ι」

「……うんv笑」


語尾にハートマークが付いてる事からヤバイな。
死ぬかも……、俺。ι


「ゎ、悪かったナルト!!ι」


巻物を差し出して頭は下げてみるが……
こんな事で許してくれる筈は―――…


「へぇ〜vサスケ君ったらまた!!……やったんだってばね〜〜〜?笑」


…―――無いな。


「す、すみません。ι」

「すみませんで許せる問題じゃねぇだろ!このバカサスケ―――っ!!#」

「ヒィィィイッ!!ιごめんなさいぃっ!!ι」


予想通り俺はナルトに生死を彷徨わされた訳だが……。ι

その直後に小説もバレるとはまだ思ってもみない。




―end――…





 
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