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□White X'mas
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White X'mas
[クリスマス☆小説]
辺り一面真っ白な銀世界に包まれて、吐き出す息は白く温かい。
里の方へ目を遣ると、キラキラと鮮やかな光を華っている。
12月25日、世間で言うクリスマスはAランク任務で潰された。
幾等忍だからってこんな日迄任務はどうかしてる。
誰だって、折角のクリスマスくらい恋人とゆっくり過ごしたい。
暗部に転移して初めての今日と言う日は、隣国の危険人物の処理。
クリスマスに暗殺だなんてどうかしてるょな、綱手のばぁちゃんも。
まぁ、サスケと一緒ってのは責めてモノ救い……、かも知れ無い。
「サスケ、恋人同士ならもっとロマンチックにクリスマス迎えたかったな……。」
「……言ってろ、ドベ。」
任務は終わったのに未だピリピリしてんのか、コイツは。
今日だってお互い任務続きで久々に一緒になれたと言うのに。
キスの一つもしてくれ無い。
俺への愛が足りて無いんじゃねぇの、サスケ。
ナルトはそれが何と無く気にくわなくて
サスケの顔を引き寄せて自分の唇を触れ合わせた。
冷たい空気に当てられた唇はヒヤリと冷たい。
まるで氷の様……。
「…お前、俺の事好き?」
無意識に口から溢れた声は今の不安も含まれているのかも知れ無い。
だってお前ってば凄ぇ余裕ぶっててムカつく。
ずっと会いたくって、恋しくって、どうしようも無かったのは俺だけ……?
「…さぁな。」
サスケはナルトの言葉を受け流す様に言い放った。
「好きだ」って言ってくれる事を期待してたのが馬鹿だったのかょ。
「もぅ良いってばょ!俺ってば先に帰る!!#」
折角のクリスマスなのに独りで馬鹿みたいに怒って
何やってんのか分から無い。
もっと素直にサスケを見れば良かったのかな?
「おい待てょ、ナルト。」
「………。」
待てなんて言われても待ってやら無い。
ちょっとは俺の気持ちも分かれば良いんだってばょ、バカサスケ。
夜なのにキラキラと輝く真っ白な絨毯の上を歩くと、キシキシと音が響きながら足跡が残っていく。
この足跡も、直に雪が降って消える。
それ迄には里に着けるかな……
俺は冷えきった手に息を掛けると、かじかんだ指先を擦った。
「ナルト、何怒ってんだょ?謝るから……。」
そう言って後ろを付いて来るサスケは少し焦っている様で。
何度も謝って来るサスケに、何で此方が罪悪感感じ無きゃいけないんだってばょ。
「なぁ、ナルト。ごめんって。ι」
「………。」
何時の間にかナルトの隣迄来て謝るサスケ。
別に謝って欲しい訳じゃ無い。
お前が余裕ぶってるからいけないんだってばょ。
「……どうせお前は久々に会えた事何てどうでも良いんだろ?」
「………。」
何時も強気なナルトの表情が、一瞬凄く寂しそうに見えた。