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□杯に注ぐ想い。
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杯に注ぐ想い。
[34760hit☆小説]
『もしもし、サスケ? 急だけどさ、今日俺達の同士が何人か集まって飲むって言う話が出たんだけど… お前も来ないかってば?場所は南西の居酒屋だから暇なら来てってばょ。待ってるから、じゃあな。』
昼間の任務中に掛って来たらしい留守電を確認すると、何処か脳天気で明るい声が再生される。
最近、あまり話したり会う事が無くてもその声の主は直ぐに分かった。
既に辺りは暗くなり、幾千もの眩い星屑達が夜空を照らし
夏なのに少し冷たい風が頬を撫でて行く。
サスケは携帯電話をズボンのポケットに入れると、誘われた場所へと向かった。
居酒屋に入ると、何人もの客達で賑わっていた。
そんな中、あの声の主をキョロキョロと目で探していると、後ろから軽く肩を叩かれる。
「ナルト…。」
「サスケ、来てくれてありがと。待ってたってばょ。」
振り向けば、嬉しそうに笑みを浮かべる留守電と同じ声のナルトが居た。
その少し離れた位置を見ると、昔から顔見知りの同士達が目に入る。
その儘ナルトに案内されてサスケもその輪の中に入った。
「よッ、サスケ!今お前の事でナルトが凄ぇムキになってたんだぜ?笑」
既に酔っているのか、
ジョッキを片手にキバがけらけらと笑った。
面白半分で言っているであろうその話は、直ぐにサスケの心を曳いた。
「何で?」
自分も笑いながら詳細を訊こうとすれば、真っ赤になったナルトが慌ててキバの口を塞ぐ。
そんな中、隣で話を聞いていたシカマルが笑いながら続きを応えた。
「あんま大した事じゃねーけど、サクラがお前があんまりにも遅いもんだからナルトに『もぅ来ないんじゃない?』って言ったら『サスケは絶対来てくれる』って拗ねてな、ずっと店の扉を見ててお前が入って来た時はそりゃもぅ嬉しそうに呼びに行ったんだょ。」
シカマルやキバ達は、そんな初々しいナルトの事をからかっているが
サスケは何時もより鼓動が高鳴っているのを感じた。